フード

【#1】のりしお研究

2022年12月16日

Instagramに #のりしお研究 というハッシュタグがあります。

ほぼ僕の投稿なんですけども….。

何年前のことか忘れましたが、ある日「のりしお」に取り憑かれてしまったんです。

スーパーに行けばまっさきにポテトチップスの売り場に行き、気難しい職人の眉間でのりしおチェック。
見知らぬ土地に行けば、なにをおいてもローカルのりしお商品を血まなこで探す。
取り憑かれたもののサガでSNSで頻繁にのりしお画像を貼っていたら、打ち合わせで会う人が手に手にポテチをお土産に持ってくるようになってしまった。
「珍しいの見つけたんで買ってきました―!」と明るくオニオン&サワー味のポテチなどを渡されてしまう。お、おう、と答えつつ、いや違うんだポテチが好きなわけじゃない、のりしお「だけ」に興味があるんですよお願いしますよ、と思いながらありがたく胃に収めせていただきました。

またある時、別の友人からレアなのりしおを入手したと入電というかDMアリ。
待ち合わせ場所はなぜか地下鉄丸ノ内線霞が関駅のホーム。
ベンチに腰掛け、友人の到着を待っていると、ふと気がつくと友人はひとつ離れた席に座り、紙袋を足元に置くと無言で去っていった。
え? なにそれ…。
紙袋の中を見ると、レアもんののりしおが。
いやいやいや、そこまで危険なブツの受け渡しじゃなですいから…….。

またまたある友人は
「この青のりはやばいです」
と評価が異様に高いの海苔屋の青のりを送ってきてくれました。
そしてまたまたまるある友人と会った時には
「地元で取れた青のり持ってきました」
とビニールに入ったワイルドな青のりを渡されまして、これもってうろうろしてたら職務質問されそうとビクビクしながら青のりを家まで運びました。

でも青のりだけあっても、のりしおにはならない。
これは「のりしお」を自作しろってことなお….?
これも天命かと「いい塩」を買って、薄切りにしたポテトを揚げて、のりしおポテチを作るという展開に。
いったいなぜこんなことに……。

そして数年間あらゆるのりしおポテチを食べ続けた結果の感想ですが
「みんなうまい。どれでもええわ」
でした。

なぜのりしおを食べ続けることになったのかは、また別の機会に。

プロフィール

伊藤ガビン

いとう・がびん|1963年生まれ。編集者。映像にフォーカスしたメディア「NEWRELL」の編集長を務める。書籍、web企画の他、ゲーム「パラッパラッパー」などの制作も手がける。

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