TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
CULTURE

【#1】アレ?駅

2022.02.11(Fri)

はじめまして。シンガーソングライターの関口スグヤです。突然ですが、皆さんは1日にどれくらい「駅」のことを考えていますか?

都会で生活をしている人ならば、何かと電車を利用する事が多いと思いますが、皆さんにとって「駅」とはどのような存在でしょうか? 僕は「駅」がとっても大好きなんです。え、、、どういうこと?と、ポカーンとされた方もいると思いますが、ぜひこの記事を読んで、今日から駅に通うことを楽しんでもらえたら良いなあと思います。

まず、なぜ「駅」が好きなのかと言うと、どれも1つ1つ個性があって、表情があるからです。ターミナル駅に終着駅、高架の駅もあれば、地下の駅もある。ちょっと音楽と似ているような気もします。駅が楽曲なら、路線はアルバムで、その路線を走る電車はアーティスト。そう言われてみると何だかそう思いませんか?(ややコジツケ)

一つのアルバムにも色んな曲が入っているように、駅にもさまざまなタイプがありますが、なかでも僕がグッとくるのは、各駅停車しか止まらない”地味”な駅。快速列車にひたすら無視されながらも黙って静かに佇むその姿に、小・中学時代の自分を投影してしまうのです。コミュニケーションが苦手でクラスになかなか馴染めず、教室の隅でぼーっと時間を過ごしていた僕には「通過される寂しさ」が痛いほどわかる。。。

なので、僕はそんな駅を見つけると、なぜか放っておけない気持ちになるのです。僕はそういった都内にある”地味”な駅を『アレ?駅』と勝手に名付け、小学生の時に『関口スグヤのアレ?駅』という自由研究をやりました。

昔から相当ニッチな事をやっていたなあ…と自分で苦笑いしてしまうのですが、これが意外とクラス内で反響を呼びました。でも、今思えば「オタク」という概念をまだ知らない小学生だったからこそ、この変わった企画を純粋に楽しんでくれたのかもしれません。(いやあ~、子供って素晴らしい)

ちなみにこの自由研究はその後、『アレ?駅+(プラス)』(2013年)『アレ?駅+@(プラスアルファ)』(2014年)『アレ?駅 デラックス』(2015年)『アレ?駅 ファイナル』(2016年)とおよそ4年間に渡ってシリーズ化しました。

そもそもこんな自由研究をやったのは、とある駅との出会いがきっかけでした。僕は幼少期から小田急沿線に住んでおり、休日の買いものには家族で新宿まで出かける事が多かったのですが、ある日、終点の新宿に到着する前に一瞬で通過する小さな駅があることに気づき『アレ?』と思ったのです。それが「南新宿駅」でした。

新宿まで歩いていけそうな距離だし、わざわざ新宿から一駅だけ乗って降りる人なんていなさそうだし、なんでこんな所に駅があるんだろう…?と幼心に不思議に思ったのです。

そんな素朴な疑問が『アレ?駅』研究の始まりでした。

今回のコラムを書くために久しぶりに「南新宿」に訪れてみましたが、東京を代表する「大ターミナル」を横目にひっそり佇む、その謙虚さがやはりたまらないです。ホームから見える高層ビルが静寂感を引き立てていて、たった500メートルの差で新宿になれなかった”やるせなさ”が漂いまくっています。

せめて「南新宿」という短絡的な名前ではなく、もう少し個性を持たせてあげたら良かったのですが、はじめからサブキャラになる運命だったみたいですね。。。なんだかまた小学校時代のことを思い出してしまいました。小6の最後の席替えで、ぼくはクラスイチの人気者だった「原田くん」の後ろの席に当たったのですが、みんなから見た僕って要は「南原田」みたいな存在だったのかな・・・と、感傷に浸るのはここらでやめましょう。笑

こんな感じに、駅を「一つの作品」として“鑑賞”してみると、さまざまな発見があります。どこかへ行くための場所ではなく、駅そのものを楽しむ。今後の新たなレジャーの在り方として、意外とアリかも・・・?この記事を読んで「ちょっと気になった…」という物好きな方は、ぜひ一度いつも乗っている電車の「知らない駅」に降りてみることをオススメします。

というワケで、なんだか初回からナード全開の記事になってしまいましたが、来週は更にディープな『アレ?駅』をご紹介したいと思います。ではまた!

プロフィール

関口スグヤ

せきぐちすぐや|2003年、東京都生まれ。2022年よりKEEPONから本名・関口スグヤとなって始動。5歳の時に出会ったギターをはじめ、ピアノ、ドラムなどを弾きこなすマルチプレイヤー・シンガーソングライター。自宅での多重録音で楽曲制作を行っており、自身のレーベルから計4枚のアルバムを発表。次世代の12組が選ばれた大滝詠一のカバーアルバムに最年少で起用される。15歳のときに手掛けたひとり多重録音の細野晴臣カバー曲を、細野晴臣自身や久保田麻琴がミックスで応援参加。最新曲「アフター・ザ・ボール」がサブスクリプションで配信中。
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