カルチャー

ハイドパークフェスの開催予定地はとてつもなく非日常だった。

移動式編集部 in 狭山

2023年1月11日

photo: POPEYE Web、Audrey Kimura(Tom's Cabin)
text: Toromatsu

「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル」

 17年ぶりに埼玉県狭山市で開催される「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル」の存在を知って、興味が湧いたので事務局に連絡を入れてみたら「現地で会いませんか?」とお誘いが! 狭山といえばお茶が有名だけど、米軍ハウスもあったりする気になるエリア。これは何かが起こりそうな予感!? と思い、僕たちは移動式編集部を出動させた。

移動式編集部の車

 2023年4月29日と30日に行われるその祭典にはムーンライダースや、サニーデイ・サービス、佐野史郎さん、他にもPOPEYE Webでインタビューをさせていただいた民謡クルセイダースや、関口スグヤ(ex,KEEPON)さんらが登場するという。率直にこの面々は無視できないと感じたわけだ。例年に負けず今回も参加ミュージシャンが豪華なのはやはり主催のひとりである麻田浩さんの存在が大きいだろう(麻田さんは1960年代後半から細野晴臣さん、小坂忠さん、洪栄龍さんらと共に狭山の米軍ハウスに居住し、今もそこにいるリビングレジェンドのミュージシャンである)。

 待ち合わせ場所の『ブリキッカ』というアンティークショップへ行くべく、隣にある『狭山市立中央児童館』に車を停めさせてもらう。昭和52年からあるというプラネタリウムと移動式編集部のコントラストに編集部一同は子供のようにワクワクした。そんなことはさておき『ブリキッカ』の扉を開き、奥のカフェスペースへ行くと、ただならぬオーラの男性がぽつんと席にいた。なんと麻田浩さん本人が来てくれていたのだ! 実はこの店のオーナーもかつて麻田さんと共に米軍ハウスに住んでいた一人らしく、人柄も置いているものも食事も何から何まで良くて、とにかく最高のひと時を過ごした。

『ブリキッカ』
『ブリキッカ』店内

 盟友である小坂忠さんが昨年4月に亡くなってしまったのをきっかけに再びこの地でフェスティバルを開くことを決意したことや、昔この地でみんなとアメリカ雑貨を売っていたことなど、全ての話に興味津々だった編集部。食事も早々に切り上げると、今回の会場となるハイドパーク跡地(ジョンソン基地のアメリカ軍人のための住居として作られたハウジングエリア)の『狭山稲荷山公園』まで一緒に散歩をすることに。途中まだ僅かに残っている、大幅に手が加えられていない米軍ハウスや、1960年からこの地に根付くステーキハウス『ニックス』、狭山市と入間市域にまたがる航空自衛隊の基地を見ながら辿り着いた広大な公園は、なんと非日常に僕たちの目に映ったことか。

『狭山稲荷山公園』
『狭山稲荷山公園』
ステーキハウス『ニックス』
ステーキハウス『ニックス』
『狭山稲荷山公園』
『狭山稲荷山公園』

 POPEYE Webと「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル」との今後の取り組みは追々報告していきたいと思っている。

 平屋建ての米軍ハウスに、基地や公園……高い建物が少なく、夕日ががっつりと差し込む狭山エリアへは、ぜひともみんなにも遊びに行ってほしいと思う場所だった!

『狭山稲荷山公園』

 それにしても麻田さん、かっこよかったなぁ。