カルチャー

10月はこんな本を読もうかな。

“読書の秋”開幕戦にうってつけの5冊。

2021年10月1日

『感覚のエデン 岡崎乾二郎批評選集 vol.1』
岡崎乾二郎(著)

造形作家としても活動する岡崎乾二郎の書くものほど、スリリングな批評もない。まぁまぁ難しい部分もあるけど、文が持つ呼吸みたいなものと同期できさえすれば、あとはもう興奮するだけという感じがある。そんな岡崎の批評選集がこちら。とりわけ赤塚不二夫論「ウナギイヌという官能について」がヤバかった。¥3,960/亜紀書房

『批評の教室 ――チョウのように読み、ハチのように書く』
北村紗衣(著)

『お砂糖とスパイスと爆発的な何か ― 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 ―』の著者が、批評の書き方をカジュアルに解説した1冊。どれくらいカジュアルかというと、批評の真髄として、タイトルにもなっているモハメド・アリの名言を引用しているくらいに。にもかかわらず、ハードコアな“批評論”にもなっているのがすごい。¥902/筑摩書房

『レイヴ・カルチャー──エクスタシー文化とアシッド・ハウスの物語』
マシュー・コリン(著) 坂本麻里子 (訳)

アシッド・ハウス、イビサ、マッドチェスター、ニューエイジ・トラヴェラーズ、ジャングル……。20世紀最後にして最大の音楽ムーブメントと言われたレイヴ・カルチャーの歩みを余すことなく綴った、非常にためになる1冊。しかも、今は紹介されている音楽をちくいちサブスクでチェックしながら読めるんだから、いい時代だ。¥2,790/Pヴァイン

『森田芳光全映画』
宇多丸、三沢和子(編著)

『家族ゲーム』や『ときめきに死す』で知られる故・森田芳光監督論の決定版が登場した。なにしろ内容がすさまじい。ライムスター宇多丸さんと三沢和子さんによる全作解説トークショウを大幅加筆修正して掲載される他、役者から監督まで50名を越える人々のインタビューや原稿も乗っている。森田監督入門にうってつけの1冊だ。¥7,150/リトル・モア

『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』
サリー ルーニー (著), 山崎 まどか (翻訳)

世界的な注目を集める1991年生まれの俊英作家による長篇デビュー作が、満を持して翻訳された。描かれるのは、ダブリンの大学に通うフランシスとそのガールフレンドの一筋縄ではいかないロマンスだ。グレタ・ガーウィグの監督作にも似た雰囲気があるので、その辺が好きな人はぜひ読もう。¥2,530/早川書房