
煙に巻くなんて言葉がありますが、近頃は煙がでない電子煙草なんてのが多く出回っております。別れ話の喫茶店で、煙がないというのも当たり前の風景になってきましたが、匂いのない話というのもはたしてどうかしらと思ったりします。
僕はもっぱらの喫煙者でして、普段はハイライトを吸っております。初めて吸った煙草はラッキーストライクだったのですが、大学の先輩に「もっと軽いのを吸いな」と言われ、そのまま素直にコンビニへ軽いのを探しに出ました。よく銘柄も知りませんからあてずっぽうです。さて、レジ裏を眺めて「ライト」と書かれているのを見つけたのです。それが、今日吸っているハイライト。ですが、ラッキーストライクよりもタールが重いのですな。
ひょんなきっかけでしたが、僕はこのハイライトが特に好きで、味や吸い心地も良く、なにより和田誠のパッケージデザインなんていうのは、こうどきどきするものがあります。
お金がないときは、わかばにしばらく浮気していましたが、こちらもなかなか可愛い人でした。巷ではおじさんの代名詞のような、わかばですが、五本に一本の割合でさくらんぼのような甘さがありました。残りの四本は犬のしょんべんのようでもありましたが…。
大切な友人の贈り物にも、ときどき煙草を送ります。ザ・ピースという四角い缶におさめられた高級煙草です。この缶もまた、いい色合いでして煙草をふだん吸わない方にも喜ばれます。嗜好品を誰かからも貰うというのも、いいじゃないですか。贈り物なんてみんな吸って無くなってしまうほうが潔い感じがいたします。
煙草がまた十月には増税だそうで、愛煙家の皆さまの悩みの種でしょうか。こう時代が暗くなってくると、いつかの時代のようにヤミ煙草なんてのも流行るのでしょうか。
あそこのネコババシガレットっていう煙草屋は安くてうめえんだよ。ブレンドが上手なんだろうな。特にうめぇのはピースとホープをブレンドしたやつだよ、それをハイライトで割ってさ。煙草の名前かい?peace(平和)とhope(希望)をブレンドしたヤミ煙草だからさ、peep(小言)っていうんだよ。
そんな時代が来ないことを祈るばかりであります。