TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】魅惑のラムリーバーガー

執筆:根本宗子

2025年10月16日

「今日は絶対これを食べたい!」
「あれを食べるためにここへ行こう!」

なんて若い時は考えたことがありませんでした。なんでだろ、食べることは幼い時から好きでしたけど、20代の頃は創作活動や表現活動に夢中で味わって食べていなかったんでしょうね。その証拠にわたしは大好きなディズニーランドでもパークフードへの興味だけは最近までなく、復刻メニューなどが出ても喜べずにいます。最近ようやくパークフードにはしゃげるようになりました。

話がそれましたが、30代になってから「あれを食べるために」が増えました。

わたしは大変天邪鬼な性格なもので、並んで食べるものにあまり興味がなかったり、食べ物の写真を必死で撮っている人の集まっている場所はあまり好みではありません。なのでそれらは自分の選択肢からは自然と除外されるのですが、そんなわたしにも「あれを食べるために」が発動することが結構あるんです。

昨年、マレーシアへ行きました。今まで旅行といえば、働いて働いて働いて、長期休みをゲットし、ロンドンやヨーロッパへ行くことが多かったのですが、ふと東南アジアにあまり行っていないなと思い、2週間ほどマレーシアへ行きました。目的はまあ様々あったのですがわたしの食べ物の目的は1つでした。

ラムリーバーガー

知ってますか? ラムリーバーガーを。

食べたことがある人はこの文字を読むだけで気が狂いそうなくらい食べたくなっていると思います。それくらい美味しいんです。

夕方から夜の時間帯に様々な場所で屋台で販売されるハンバーガーなんですが、屋台の場所が決まっていないんですよ。つまりラムリーを求めて歩き回って出会うしかないんです。「オフラインラブ」より難しい。配車アプリGrabでどこにでもすぐに車が呼べて信じられないくらい安い超快適マレーシアですが、屋台を探すときはピンを立てようがないですからね。歩くしかない。もちろんほぼ毎日ここにはいるよ、的な場所もあるんですが、なかなかそこも頻繁自分が立ち寄る場所じゃなかったりして、まあ出会えた時の嬉しさが半端じゃないです。

どんなハンバーガーかってのは、もうインターネットで検索したらなんでも出てくる時代なんであえてこの文章には書きませんが、日本では食べたことがない味なんですよ。あと、包み紙もめっちゃいい。

蒸し暑いマレーシアで、歩き回って探した探して、出会えた時の一口目、感動でした。

夜にしか食べられないってのも、罪の味がしますよね。
夜食べると美味しいのに、昼に食べると「あれ?」ってこともありますからね。
食べ物って面白い。

プロフィール

根本宗子

ねもと・しゅうこ|1989年、東京都生まれ。19歳で劇団、月刊「根本宗子」を旗揚げ。以降、劇作家、演出家、小説家として活躍。2025年7月24日より世界独占配信スタートのNetflixシリーズ「My Melody & Kuromi」の脚本を担当。10月17日より作・演出を手がける舞台「Marriage Hunting」がスタート。

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