ファッション
夏のふたりは、横浜でナイターを。
そろそろナイターが気持ちのいい季節だ。
2021年6月10日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/04/17fb4bad67b35a82a760e3686533fd38-750x750.png)
SUMMER CLASSICS
photo: Tatsunari Kawazu
styling: Shinichi Sakagami
grooming: Narumi Tsukuba
text & edit: Ryoko Iino, Tamio Ogasawara
2021年7月 891号初出
![ナイター観戦する2人](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE32931-2-e1623239639804.jpg)
ここ数年、僕らの周りでは野球の話ができない奴はつまらない人間だと思われてしまうほどに、プロ野球熱が育っている。クラシックなスポーツ観戦といえば、間違いなくそのひとつにプロ野球というものがあるわけで、しかも、せっかくなら夏はドームじゃなくて、空が広がるオープンエアスタジアムのナイターなんていうのがとびきりよいんじゃないかと思っている。東京だと神宮球場もあるけど、彼女となら少し遠出して、横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアムまで行くのは全然ありだ。いや、むしろ横浜スタジアムのほうがメジャーリーグのようなボールパーク感はあるし、すぐ横には中華街があるし、距離が遠いぶん彼女とも小旅行気分で長く一緒にいられて楽しいはずである(難点があるとすれば、今季のベイスターズはまだ本調子でない)。みなとみらい線の日本大通り駅を降りてからスタジアムに向かうアプローチは、あのペリーも歩いたという外国のような景色の日本大通り。ひとたび球場に入り、コンコースを抜け、グラウンドを目の前にしたときの高揚感たるや、たとえ野球が好きでなくともテンションが上がりまくり、あー、やっぱり横浜に来てよかったと思うことになる。さて、ここでひとつ提案だが、いつもの服装で席に座るのは味気ない。かといって、ユニフォームを着るのは僕らのようなニュースクールにはまだ早い。ベイスターズカラーはブルーにホワイトが基調で、少々イエロー。せめて色だけでも合わせていけたら、球場にも馴染むし、きっと楽しい観戦ができると思う。礼儀は正しいほどにクラシックとなる。
![半袖シャツを着た男の子](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE32939-2.jpg)
ロイヤルブルーに勝るものはない。
世の中には無数にシャツは存在するが、夏のクラシックな一枚を選ぶとしたら、イギリス製の〈ターンブル&アッサー〉のロイヤルブルーのシャツなんてどうだろうか。ロイヤルの名にふさわしい英国王室伝統の濃いめのブルーに、なかでも珍しい半袖もの(半袖のビッグサイズは奇跡だ!)。ヴィンテージで見つけた一着なので、なかなか見つけられないかもだが、ユニフォームに代わるハマスタでの正装に。でも、ユニフォームなら、背番号23のオースティンのが欲しい。¥30,800(DAVIDS CLOTHING☎03·3409·8822)
![双眼鏡を覗く男の子](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE33017-1.jpg)
紳士と淑女の観戦アイテム。
古くよりオペラを観劇する際に用いられたオペラグラス。夏にナイターで使うと立派にサマークラシックというわけだ。野球に明るくない彼女も、セットポジションに入ったエスコバーの超マジな表情を見たりするだけでプロスポーツの緊張感を味わえる。球場で配られていた観戦ガイド『BLUE PRINT』の選手名鑑によると、エスコバーの好きなアイスのフレーバーはストロベリーだ。オペラグラスはハマスタで買おうじゃない。
![ビールで乾杯する2人](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE32999-1.jpg)
ナイターといえば、ビールか。
プロ野球観戦に欠かせないのはやっぱりビール。昭和の頃より変わらないクラシックな娯楽セットであり、眼前で行われる真剣勝負を眺めながらの一杯は大変美味しく、応援にも熱が入る。メジャー感のあるハマスタともなると、飲めるのはただのビールではなく、オリジナルのクラフトビール! フルーティで飲みやすくて、球場ビールのレベルはゆうに超える。ベイスターズ・ラガー¥750、ベイスターズ・ホワイト¥800
![パールアンクレット](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE33033-1.jpg)
パールを身に着けるならここ。
野球観戦といえどもデート。ほんのり特別感は出したいというのが女子の本音だそうで、その点パールアンクレットのカジュアル感は最適と言える。〈カドー〉の華奢な5㎜の粒は、何も考えずともラインソックスの上から着ければ、〈ヴァンズ〉のスニーカーもすっかり上品になる。というか気軽に着けたほうが断然かわいい。
¥20,900(カドー/Shinzone LUMINE SHINJUKU☎03·5909·4088)
![ドレスウォッチ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE33091-1.jpg)
退屈しないドレスウォッチ。
プロ野球の昨年の平均試合時間は3時間13分ほどだったといわれている。試合途中に腕時計を見ていると、なんだか退屈しているような印象を彼女に与えかねないが、作家の吉行淳之介のように5分に一度は見るという癖のある人であればそれも仕方がない。どうせ見るなら、レザーベルトのドレスウォッチ。1969年のヴィンテージの〈IWC〉なら許そう。¥316,800(江口時計店☎0422·27·2900)
![スウェードシューズ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/7cc77afd2c5051aa86aab8df51524d5b-2.jpg)
球場にはスエード靴で来るくらいの気概がなきゃね。
ユニフォームで正装してきている人もいれば、ヒップホップなスタイルでビシッと決めてくる人もいる。どんな格好でも球場に来る人は皆、ちゃんと気合が入った服装で来ている。だから、クラシックな装いの僕の足元は<ジェイエムウエストン>のローファーで。スエードの短靴って夏に履くのが格好いいよね。¥121,000(ジェイエムウエストン / ジェイエムウエストン青山店☎︎03・6805・1691)
![オールホワイトの女の子](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE33131-2.jpg)
ウィンブルドンにならう。
球場でもそっと目立つオールホワイトがガールフレンドのゲーム観戦の正装だ(競技は違うが気持ちはウィンブルドン)。<ザ・ロウ>のコットンポロシャツは浜風にも頼もしいロングスリーブ。合わせに白いショーツを選べば、爽やかこの上なし。ポロシャツ¥106,700(ザ・ロウ / ザ・ロウ・ジャパン☎︎03・4400・2656)ユーズドのチノショーツ¥7,150(プロップスストア アネックス☎︎03・6455・5388)
![チェックのバッグ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE32405-2.jpg)
バッグは思い出が入るサイズで。
デカいバッグは嫌だが、思い出は持って帰りたいというわがままを聞いてくれるのがNYの<カミング オブ エイジ>。グリーンとネイビーのギンガムチェックがキュートなバッグは、ベイスターズの観戦ガイド『BLUE PRINT』だとかオペラグラスだとかを詰め込むと、マチが広がり徐々に立体的な長方形に。結構入れても涼しい顔。¥28,600(カミング オブ エイジ / THE MOTT HOUSETOKYO☎︎03・6325・2593)
![ラインソックス](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE32523-2.jpg)
この短さでライン入り。
横浜スタジアムは横浜公園の中にあるから、試合の前にぶらぶらしているだけでも気持ちがいい。すぐそばにある『大学院』という名の喫茶店のミートソースには目がなくてね。そうそう、古めの<ヴァンズ>には短いスポーツソックスで。彼女のボーダーに合わせてライン入りにしてみた。3Pパック¥3,520(Thorogood by WEINBRENNER / スティーブン アラン トーキョー☎︎03・5428・4747)
![ボーダーのTシャツを着た女の子](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE32052-2.jpg)
海が近いとボーダーを着たくなるね。
海の近くだからクラシックにボーダー気分なのだが、だからといって真面目なフレンチボーダーを選ぶほどシティガールは単純ではない。’90sの古着っぽいボーダー柄で外すなんてのはどうだろう。このTシャツはメンズものなのだが、身幅はそこまで広くないので女子も着やすい。そんな彼女が可愛いと目をつけた選手は新人の牧だ。¥4,180(アズカラー / プロップスストア☎︎03・3796・0960)
![シルバーのブレスレット](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE32430-1.jpg)
たくましいほどのシルバーブレスレットを。
<ラバー>のシルバーブレスレットは世界中のジュエラーが頼る銀職人の街、メキシコはタスコで作られたハンドメイド。シティガールは華奢なパールと同じくらい、メンズもののような存在感のチェーンも好きなのだと言っていた。カジュアルな服も大人っぽく見えるし、手首も一層きれいに映えるんだってさ。¥49,500(LAVER / Shinzone LUMINE SHINJUKU☎︎03・5909・4088)
![手を繋いだ女の子と男の子](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/06/DMA-210501-POPEYE32235-1-1600x2400.jpg)
ニットポロにするだけで。
夏のニットポロほど着るだけで品格をもたらせてくれるものってない。足元の<ヴァンズ>もともすれば革靴に見えるほどである(ちょっと言いすぎたかもしれない)。クラシックなのはシーアイランドコットンを使ったイギリス製の<ジョン スメドレー>の一着。さらりとした着心地はもちろん、シルエットもベーシック。夜は『シシリヤ』のピッツァでも食べに行こうよ。ニットポロ¥28.600(ジョン スメドレー / リーミルズ エージェンシー☎︎03・5784・1238)
右 / ニットポロ¥28,600(ジョン スメドレー / リーミルズ エージェンシー☎︎03・5784・1238) ユーズドのチノショーツ¥4,400(Shibuya”T”☎︎03・3780・5572) Tシャツ¥990(ギャップ / ギャップ新宿フラッグス店☎︎03・5360・7800) ラインソックス(3Pパック)¥3,520(Thorogood by WEINBRENNER / スティーブン アラン トーキョー☎︎03・5428・4747) ヴィンテージの<ヴァンズ>のスニーカー「オーセンティック」¥65,780(ハングアウト☎︎03・5413・8744) キャップ¥8,800(ポロ ラルフ ローレン / ラルフ ローレン☎︎0120・3274・20) 左 / ボーダーTシャツ¥4,180(アズカラー / プロップスストア☎︎03・3796・0960) ユーズドのシャンブレーシャツ¥8,580(ベルベルジン☎︎03・3401・4666) パンツ¥119,900(ステラ マッカートニー / ステラ マッカートニー カスタマーサービス☎︎03・4579・6139) シルバーブレスレット¥49,500(LAVER / Shinzone LUMINE SHINJUKU☎︎03・5909・4088) バッグ¥28,600(カミング オブ エイジ / THE MOTT HOUSE TOKYO☎︎03・6325・2593) デッドストックの<L.L.Bean>のデザートブーツ¥19,800(シエスタ☎︎03・6804・3817)
インフォメーション
横浜スタジアム
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