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世界の誰かのためになる、こんなデートどう?
2023年11月20日
photo: Naoto Date
text: Nozomi Hasegawa
心地よい季節になったから、恋人と一緒に公園でピクニックデートをしたい。フリスビーで遊んだり、美味しいものを食べたり。正直好きな子と一緒なら、ぼーっと空を眺めるだけでも楽しくなるはず。でもそのデートをさらに思い出深いものにするために、いつもとはちょっと違う視点、例えば買い出しのときに「国際支援」を意識してみる、なんてどう? 調べてみると海外への支援につながる商品や、海外の様々な地域の特色をテーマにしたお店が結構あるようだ。ひとつ買い物をするときに目印になるのが「原料や製品を適正な価格で継続的に購入することによって、開発途上国にいる生産者や労働者の生活を守ろう」という運動を示すフェアトレードという言葉。「開発途上国の支援をしよう!」と声をあげるのはハードルが高い気がするけれど、フェアトレードをテーマに買い物をするだけなら、ちょっとした下調べさえすれば誰でもできる。今回は国際支援に対して昔から興味があった大島滉平さん&野澤晴夏さんと一緒に、普段とはちょっと違うピクニックデートを楽しむことにしたよ。
フェアトレードを知るには、まずは老舗の『ピープルツリー』へ。
まず最初に2人が訪れたのは、自由が丘にある『ピープルツリー』。アジア、アフリカ、中南米など18か国にある団体とともに、その地方で採れる天然素材を使った食品や雑貨、衣料品を30年以上前から開発・販売しているブランドで、日本におけるフェアトレードの先駆者といわれている。
芝生に敷くアイテムを求めてマルチカバーを物色中に「ねぇ見て! タグに色々書いてあるよ」と何かに気づいた大島さん。そこには、1970年代から難民や女性の支援活動を行うバングラデシュの生産団体「サイドプール・エンタープライズ」が手掛ける商品で、バングラデシュの女性が着用する伝統的な衣装、サリーをアップサイクルして作られているとの情報が。『ピープルツリー』は生産団体の詳細をはじめ、支援までの歴史や作る過程などをタグに記してくれているから、自分がどんな団体にどんな方法で支援できるのかを一目で把握することができるようになっているのだ。「このバスケット、可愛くない? これもバングラデシュで作ってるんだって!」と野澤さんが見つけた手編みのバスケットもゲットして、次は食べ物を買いに行くことに。
カカオのいい匂いに誘われて『WHOSE CACAO』に入店。
ピクニックに欠かせないおやつを求めて、奥沢にある『WHOSE CACAO』へ。ここは「誰が作る、誰のためのカカオなのか」という思いを胸に、インドネシアやタイの産地に直接赴いて、農園での栽培から収穫、輸入などをすべて自分たちで行うカカオ専門店。公正な取引をするのはもちろん、カカオ栽培のための資材支援や発酵ノウハウの提供など、カカオ豆の品質向上にも取り組んでいるんだとか。野澤さんが「これ、食べてみたい!」と手に取った、チョコレートでコーティングしたカシューナッツや、お湯と牛乳で溶かして飲めるカカオドリンクなどを購入。「カカオのいい匂いがしたよ〜」「早く食べたいね」と、ピクニックに向けて2人のテンションも上がっているみたい。
モロッコ雑貨『Fatima Morocco (ファティマ モロッコ) 』で国際支援。
『ovgo Baker』で見つけた、アメリカンなクッキーに合うフェアトレードコーヒー。
可愛らしい外観を見て、吸い込まれるように入ったのは日本橋にある『ovgo Baker Edo St. EAST』。小麦や牛乳、卵を一切使用せずに作るビーガンクッキーやマフィンが人気で、コーヒーはフェアトレード認証を取得した『Overview Coffee』のコーヒー豆を使用。オーナーの溝渕由樹さんは、かねて発展途上国の支援にも興味を持っていて、フェアトレードかつ環境負荷の軽減も追求して作られていることからこのコーヒー豆を選んだという。「公園に着く前に飲んじゃえ!」と店を出てすぐに一口、「好きな味だ! ちょっと酸味も感じるよ」と大島さん。コーヒーが冷めないうちに公園へゴー!
楽しむことが海外への支援につながるピクニック。
「家からもいくつか持ってきたよ」と、大島さんがバッグから取り出したのは、ニュージーランドの「カーマコーラ」に『dari K』のクッキーサンド、パレスチナ産のフェアトレード認証を取得しているはちみつ。そして、今日買ったモノを一緒に並べてピクニックを楽しむ2人。「チョコもクッキーもコーラも、全部美味しい! 好きなモノを食べて海外への支援もできるなんて、やっぱり嬉しくなるよね」「私たちのもとに届くまでに背景があって調べるとそれが見えてくるのが、古着を選ぶ感覚にも似ているな、って思ったな」と、いつもとは違うピクニックデートを楽しんだ様子。
買い物をするときに「国際支援」という視点も追加して、日常の中で誰かのために動くというのもいいもんだ。
インフォメーション
日本赤十字社の国際支援
記事中にも出てくる「バングラデシュ」「パレスチナ」や「インドネシア」はもちろん、世界190以上の国と地域に根差した赤十字ネットワークを生かして「紛争対応」「災害対応」「レジリエンス強化」など、幅広い支援を行っている日本赤十字社。12/1~25の期間、国際支援の募金キャンペーン「NHK海外たすけあい」を実施中。みなさんの「誰かのために」という気持ちを、寄付というかたちでいただき、世界の様々なところで自分が暮らす地域と世界をよくしたいと活動している赤十字のボランティアと職員を通して、世界各地で紛争、災害、病気などにより苦しんでいる人びとに支援を届けています。
日本赤十字社の国際支援については「SAVE365Magazine」をチェック👇
https://www.jrc.or.jp/lp/save365/
日本赤十字社の活動をもっと知るなら by マガジンハウス
Hanako:大原真樹さんと考える、モロッコと国際支援。
https://hanako.tokyo/learn/399250/
anan:ごく普通のわたしでもできています! アラサー女性のリアルな国際支援体験記
https://ananweb.jp/anan/511336/
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