TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
LIFESTYLE

【#1】夏がやって来た。青い空に入道雲。

2022.07.14(Thu)


photo & text: Yoshizumi Ishihara
edit: Yukako Kazuno

 6月27日、関東地方の梅雨明けが発表された。史上最速の梅雨明け。梅雨の期間は、僅か14日間となってしまった。

 僕は当初、今年の梅雨はいい梅雨だと安堵していた。

 気持ちの良い、初夏を思わす陽の光が梅雨前線に遮られる。どんよりと曇った空から北よりの風に乗って霧雨が舞い降りる。“梅雨寒”という言葉がぴったりと当てはまる、東日本らしい梅雨初期の天気に見舞われた。

 古来、東日本の梅雨はシトシト型。西日本の梅雨はザーザー型と言われてきた。地球温暖化の影響で、近年は関東地方でもいきなり積乱雲がやって来て、大粒の雨を撒き散らすザーザー型が主流になっていた。今年はいい感じの梅雨に入ったのに、梅雨末期の豪雨を体験する間もなく、一足飛びに梅雨は明けてしまった。

 梅雨明け十日と言われるが、梅雨明けの発表と共に晴天が続き、猛暑日連続9日間の記録を打ち立てた。とはいえ、季節はずれとも言える夏の到来は、どこか様子がおかしい。

 夏至の時期の鋭い陽射しが照り続ければ、気温はどんどん上がる。それでも、いつもの夏の湿気は感じられない。空を見上げれば白い雲と青い空の色のコントラストを見分けられる。

 何より1番の違和感は、蝉の声が聞こえないことだ。木々の緑は、今を盛りと色濃く陽の光に輝いているのに、野も山も街も不思議なほど静かだ。急激な季節の歩みに、蝉だってついて行けないのだ。

 それでも、とにかく夏がやって来た。暑い暑いと嘆いているばかりでは仕方ない。今年の夏を、どうやって楽しんでやろうか。

 緑の野山。青い空に湧き立つ入道雲。これぞ、日本の夏の原風景だ。

みちのく路、平泉にて。まこと、兵のどもの夢のあと。夏が輝いていました。

プロフィール

石原良純

いしはら・よしずみ|1962年、神奈川県生まれ。俳優、気象予報士、司会者・MC、キャスター。

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