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『日本映画のために』を読む。

蓮󠄀實重彥(著)

 日本を代表する映画批評家による、日本映画にまつわる論考集だ。中でも白眉は、書き下ろしの「内田吐夢論――またはその画面を彩る慎ましい顕在性をめぐって」。この昭和の巨匠の作家性に肉薄せんとする眼差しの鋭さもさることながら、「説話論的」「主題論的」といったお馴染みの概念を初読者に向けて改めて実践的に解説するような開放感が漲っているのだから。著者にとって、「運動を表象するにとどまらず、運動そのものへとみずからを昇華させるもろもろの細部の交錯とその推移こそが、映画と呼ばれる表象形式の実態」なのだ。¥4,070/岩波書店

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