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『他なる映画と 2』 濱口竜介(著)

『ドライブ・マイ・カー』と『悪は存在しない』の大成功によって、「知る人ぞ知る」から「ご存知」の監督になった感のある濱口竜介監督だが、彼が映画の批評文においても優れた功績を残してきていることは、まだあまり知られてないかもしれない。しかし、本書に収録された数々の論考を読めば、それは火を見るより明らか。実際、小津安二郎の『麦秋』における杉村春子のひと言のセリフを巡って、ひたすら画面とだけ向き合い(ここ重要!)、その演出的な凄みを見出す筆致には畏怖を覚えるはず。講演やレクチャーの文字起こしを収録した『他なる映画と 1』と合わせてぜひ。¥2,750/インスクリプト