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『箱男』 石井岳龍(監)

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段ボールの中で生きる男たちを通して、現代人の実存不安に肉薄した安部公房の小説『箱男』。1997年、戦後日本文学の金字塔と称させる同作の映画化を企てながら、ハンブルクでのクランクイン前日に撮影中止を余儀なくされたのは、石井岳龍監督だ(当時は石井聰亙名義)。あれから27年、満を持して誕生したのがこちら。原作の複雑難解な語り口を残しつつ、よりピュアな自分探し譚として昇華されているのが興味深い。それも含め、ストーリー展開、字幕やナレーションの入れ方、女性キャラの立ち位置、そして何より衝撃的な肉弾戦(しかし、こちらで戦うのはロボットではなく、段ボールの中に入った永瀬正敏と浅野忠信!)などなど、おそらくバイブスが一番近いのは『新世紀エヴァンゲリオン』ではないか。とにかく今は、石井監督の『狂い咲きサンダーロード』を人生の一本に挙げる芸人の永野に本作の感想を聞きたい。8月23日より公開。