TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
CULTURE

【#2】失敗にはピエロ。

2021.05.15(Sat)

私がテレビ番組に出始めのころ、共演のタレントさんたちは、マジックを目の前で見るのは初めてという方ばかりでした。人は突然不思議なことを目の前で見ると緊張してしまって、拍手や笑いが出てきません。収録スタジオの中も然り。そんなスタジオがシーンとなった時、出演者の一人だったざこば師匠が「わかったぁ!」と大声を出したことがあります。その途端、ドッと笑いが起きました。そのスタジオで唯一、笑っていなかったのが私です。タネが見えてしまったのかと焦り、「えっ?何か見えましたか?」と思わず聞いてしまいました。

するとざこば師匠が「すまん、すまん。番組だからなんか言わんといかんと思っただけで、本当はわからん。」この時の「わかったぁ!」の一言から、バラエティ番組はリアルさより笑い、そしてタレントと一緒に面白いことを作ることが大事だと学ばせていただいたのです。

一方で、本当に失敗してしまうこともたくさんありました(視聴者にはバレてないことを願っています)。事前に準備をどんなに重ねても予期せぬことが必ず起こるのが本番です。番組の生放送中の失敗は悪夢以外のなにものでもありません。サーカスでは万が一のためにショー終了時まではピエロやクラウンが袖に待機しています。アクシデントが起きたらすぐに飛び出して、場の空気を変えるためです。

私は実際、生放送とかライブでマギー司郎さんに何度も救われています。サーカスでいうところのピエロ役をやってくださるのがマギー司郎さんなのです。

生放送番組の「アッコにおまかせ」でカード当てに失敗した時のこと。失敗の原因は何だろうとカメラが回っているにも関わらず、思わず考え込んでしまい、無言になった私にアッコさんが「失敗なら失敗と言っていいんですよ」と突っ込みを入れていたまさにその時です。マギー司郎さんがピエロのごとく現れて、「マリックさん遅くなってごめんなさいね。時間を伸ばしてくれてありがとうございます。」

場の空気をさっと変えてくれました。他の皆さんもさすがタレント、全員そういうことにしてくれて、笑って見過ごしてもらいました。失敗したときは深刻にならないですぐ次に行くことがベストです。笑いこそ失敗の特効薬ですから、失敗した時こそ笑って前を向こうと思っています。

ピエロ役になり、私を救ってくれたマギー司郎さん。

プロフィール

Mr.マリック

1949年、岐阜県生まれ。超魔術師。サイキックエンターティナー。今年で超魔術30周年を迎える。BS朝日『超魔術見破りバトル!Mr.マリックVS最強の東大生軍団』が6月20日(日)夜9時に放送。
昨年スタートしたYoutube公式チャンネル『マリックがきた!!』も大好評。https://youtu.be/U8TW3l3rqpk
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