舞台はコロナ禍のフィリピン・マニラ。大学で文学を教えるエリックは、とあるレストランで教え子のランスと朝食を共にする。本作はテーブルに座る2人の語らいだけをひたすら捉えていく会話劇だ。会話を通してだんだんと明らかになるのは、エリックの恋人で小説家だったマルコスが最近悲劇的な死を遂げたこと、そしてそこにはランスも何かしらの関係していたこと。構成が構成だけに、序盤は舞台劇のような印象があるが、色々なことが明かされていくにつれ、これまで固定だったカメラが震えるように揺れていくのは、映画ならでは。これだけミニマルなスタイルで、しかもたったの90分で、フィリピンという国をめぐるさまざまな事柄に肉薄せんとする野心に拍手を。1月17日より公開。
『センチメンタル・バリュー』を観る。
『私は最悪』で話題になったヨアキム・トリアー監督&レナーテ・レインスベ主演コンビの再タッグ作。今度のテーマはズバリ、家族だ。ノルウェーで活躍する女優ノーラの前に、幼い頃に家族を捨てて以来、長らく音信不...
『ブゴニア』を観る。
ネットの陰謀論に洗脳されてしまったらしいテディは、純朴な従弟のドンを従え、製薬会社のやり手経営者ミシェルを拉致監禁する。テディいわく、ミシェルは地球を侵略するエイリアンだというが、彼女には身に覚えが...
『トゥギャザー』を観る。
心機一転すべく山奥に引っ越してきた倦怠期のカップルが、ハイキングの最中に不穏な穴の中に落ちたことで、なぜか体がくっつき始めてしまうというボディホラー。愛し合う2人が1つになる。エモいラブソングの歌詞...
『いくつもの鋭い破片 上』を読む。
近年、ミュージカル化されたり、ルカ・グァダニーノ監督に再映画化されるという噂もあったりと、再評価の渦中にある『アメリカン・サイコ』。その著者による久しぶりの小説がこちら。1981年のLAの高級住宅街...
『実験音楽 1970年から現代まで』を読む。
実験音楽とは何か? 誰もが気になっているはずのその問いに、ジョン・ケージから大友良英まで、半世紀にわたる実験音楽の営みを500名を超える作家とその作品を通して向き合った鈍器本。著者は言う。「私はこの...