著者のニコル・ブルネーズは、フランスの映画研究者であり、2022年に亡くなった映画の巨星ゴダールの最晩年の協力者の一人。そんな彼女によるゴダールをめぐるテクスト集なのだが、なんといっても注目すべきは、ゴダールから送られてきた電子メールが収録されていること。社会人として真似すべきところはひとつもないが、言葉遊びを多用した本文、添付される画像、さらには件名まで巻き込んで、ゴダール的な宇宙を形作らんとする姿勢には感動するっきゃない。やっぱりゴダールはゴダールであった。メールを書く(描く)ときですらも。¥3,960/フィルムアート社