
海の幸のポテンシャルを体感するなら、『みなとやゲストハウス』に泊まるのが近道。なにしろ、店主の大川漁志さんはルアー開発や釣り番組にも出演するプロの釣り師で、奥さんの香菜さんは現役の海女さんという肩書きを持つ。そんな2人が獲ってきた良質な食材を漁志さんが世界各地を旅しながら独学で習得した技術で調理してくれるのだ。夕食はみんなでシェアするビュッフェスタイルで、定番かつ最強の刺身から、自家製マサラで漬け込んだヒラマサのオーブン焼きや、ヒラスズキの出汁と地元の野菜で煮込んだベジタリアンカレーなど、タイやインドのスパイスを巧みに使ったオリジナルメニューが食べきれないほど机に並ぶ。
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名物店主の大川漁志さん。数年前から、ペルーで発展したチャンカイ文化に影響を受け、竹竿を使った究極にシンプルな“チャンカイ釣り”にハマっている。 -
食卓を囲むお客さんは、子供連れや一人旅とさまざま。この日はたまたまみんな東京からだった。 -
豪快に盛られた大皿から好きな料理を好きなだけ。
食べ終わったら、ゲストのみんなと漁志さんの仰天旅話を聞いたり、選書された本を読んだり、思い思いにくつろげるのもゲストハウスならではの食体験。事前に予約すれば、翌朝は一緒に釣りへ行けるのも嬉しい。「俺は人と会うのが楽しいし、この仕事しかねぇなあ」とシブく呟いた漁志さんの言葉がそのまま形になっている宿だった。
インフォメーション

みなとやゲストハウス
芦辺港から車で5分。築約100年の元遊廓だった建物を再生して2016年にオープン。木造の2階建てで、洋室・和室・最大8名のドミトリーがある。1階は22時まで食事をする空間でもあり読書やおしゃべりができる憩いの場でもある。夜ごはんは予約制。宿泊しなくても食べることができる。(大人¥3,600)。一泊¥4,300〜
◯長崎県壱岐市芦辺浦258 ☎︎0920・40・0190
Official Website
https://www.minatoya-guesthouse.com/