ライフスタイル

【#4】告白

2022年9月30日

text: Issei Kunisawa
edit: Yukako Kazuno

この前、TwitterのDMでいただいた体験談なのですが…

20代前半の女の子が、今から10年ほど前、中学生の時に、学校のクラスメイトで仲の良かった男の子を好きになり、日に日にその思いも強くなったため、告白する決意をしたらしいんです。

でも、人生ではじめての告白で、不安と緊張でどうしても1人でその子を誘う勇気がなかったので、親友の女の子に協力してもらい3人で遊ぶ事になったらしいんです。

カラオケに行って遊んだ後に公園で3人、椅子に座りしばらく話した後に、親友の女の子が「ジュース買ってくるね」と言ってその場を離れ、隠れて2人の様子を見てくれていたらしいんです。

ベンチに2人で座って、人生で初めての告白しようと思うんですが、いざ伝えようと思うとなかなか言葉が出てこなくて、「あんな。今から伝えたいことあるねんけど、緊張するから目を閉じて聞いてほしいねん」と目を閉じさせたんです。

彼も「わかった」と目を閉じてくれたのですが、
すぐに「なんやねん⁉︎ 何がしたいねん⁉︎」と怒り始めたんです…

「えっ? ちょっと待って、話したいことがあるんだけど…」
「もうええって! さっきから痛いねん‼︎ おちょくってるの?」

「なにが?」と言うと、
袖をめくりながら「ずっと爪立てて引っ掻いてくるのやめてくれない‼︎」
と怒って帰っていったんです…

彼女もなんのことかわからずに驚いて困惑していたんですが…

彼の腕にはハッキリとギーーーーッと引っ掻いた跡が残っていたんです…

しばらくすると親友の女の子が木陰から出てきたので、姿を見て「ダメだったみたい」と言うと…

「あんた…今誰といた?」

「えっ? 〇〇君だけど…」

「その他にもう1人いたよね?」

「やめて! ほんまに2人だから‼︎」

「しほがいたよ…」

そのしほって女の子、1年生の時に病気になって、亡くなってしまった女の子だったんです…

2人とも仲が良かったんですが…

何よりずっとその男の子の事が好きだったんで、もしかしたら2人が結ばれることが許せなかったのかもしれないんです…

それ以降、2人で遊ぶことはなかったのですが…

ボーッとしてると時折り、しほちゃんの声が頭の中で聞こえるらしく…

「もう何もとらないで」と繰り返されるらしいんです…

実は、その親友の女の子も元々は、しほちゃんの親友だったらしく…

最後に体験者が言ったのが

「しほのもの、全部ほしくなるのよね」

プロフィール

國澤一誠

くにさわ・いっせい | 1984年、大阪府生まれ。4歳年上の叔父とお笑いコンビ「ヒカリゴケ」を組み、多くの番組に出演。コンビ解散後は、イラストレーターや「BOKURANOTE cafe and bar」運営を行う傍ら、怪談系YouTuberとして注目を集めている。

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