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『テイク・ミー・サムウェア・ナイス』を観る。

エナ・センディヤレヴィッチ(監)

©2019(PUPKIN)

 オランダに暮らす少女アルマは、離れて暮らす病床の父を見舞うため、故郷ボスニアを訪れる。パステルカラーを基調とし、デザインされ尽くされた構図の寄りと引きのショットをリズミカルに組み合わせながら描かれる本作は、ファッション雑誌のようで楽しい。しかし、単なるおしゃれ映画かといえば、そうではない。ずっと憂鬱そうな表情なアルマと、結果的に祖国を捨てた彼女に冷たい従兄弟エミル、彼の親友でむしろボスニアから脱出したいらしいお調子者のデニスの珍道中を通して炙り出されるのは、ヨーロッパにおける東西の対立なのだから。そのバランス感覚が新鮮だ。9月13日よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開。

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