ナチス政権下のドイツで漫画家として活動したE.O.プラウエン。政権批判によって執筆を禁じられた彼が描いた名作『Vater und Sohn(父と子)』で描出されるのは、ほのぼのした「日常」と愛が溢れた温かい笑いだった。そんな物語と共鳴したのが、北京を拠点に活動するアーティストのチェン・フェイだ。自伝的なアプローチを用いて彼が描き、思索するのは、夫と妻、父と子、同僚や親しい知人との関係や、中国人画家としての自らのアイデンティティについて。本展では、2022年から2025年にかけチェン・フェイが描いた新作絵画15点に加え、高さ7mの壁画、インスタレーション、ドキュメントなどが、サイトスペシフィックにキュレートされた空間の中で楽しめる。「全体が混乱している中で、個人の力はあまりにも小さく見える」と作家は語る。現代の社会を覆う漠然とした不安感、不条理のなかで、1人の人間が感じた「リアル」な気持ちが広がる。
インフォメーション
チェン・フェイ展 父と子
会場:ワタリウム美術館(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6)
会期:2025年7月3日(木)〜 10月5日(日)
時間:11:00〜19:00
休み:月(※7月21日、8月11日、9月15日は開館)
料金:大人¥1,500、学生(25歳以下)¥1,300
協力:PERROTIN
Official Website
http://www.watarium.co.jp
20:45〜NHK Eテレ『わたしの日々が、言葉になるまで』を見る。
「わたしの日々が、言葉になるまで」劇団ひとりをMCに迎えて、「言葉のプロ」たちがモヤモヤした感情を言語化。エキサイティングな言葉の番組。今週は「7月放送回 ぎゅぎゅっと詰め合わせスペシャル」を放送する...

「Goozenのぐうぜん2 3ねんと3かげつ」に行く。
神奈川県横浜市、弘明寺エリアにあるギャラリー『Goozen』。障害がある人もない人も、様々な人が表現をするアートギャラリーを目指して、開廊以来、障害者のアーティストと健常者のアーティストが合同で作品...

『APARTAMENTO』から都築響一さんによる『HAPPY VICTIMS』の新装復刻版が発売! 記念トーク&サイン会をチェックする。
1976年の『POPEYE』創刊にも関わった編集者、写真家の都築響一さん。生活感ある東京の移住空間を撮影しまとめた『TOKYO STYLE』や全国の珍スポットを集めた『珍日本紀行』など、長きにわたり...

「チェン・フェイ展 父と子」に行く。
ナチス政権下のドイツで漫画家として活動したE.O.プラウエン。政権批判によって執筆を禁じられた彼が描いた名作『Vater und Sohn(父と子)』で描出されるのは、ほのぼのした「日常」と愛が溢れ...

『ユリシーズ』を観る。
映画では、ひとつのシーン内での人物たちの画面内での左右関係を混乱させないため、イマジナリーラインというものを設定し、それを越えないようにしましょうという暗黙の了解がある。しかし、本作はそんなラインを...