フィリピン人映画監督、ティミー・ハーンの作品だ。フィリピンの監督といったらラヴ・ディアスが有名で、登場人物のバックボーンを通して同国をめぐる複雑な歴史を物語る姿勢には、共通点を見出せるかもしれない。しかし、ディアスが今や孤高の芸術家道を邁進するのに対し、こちらに感じられるのは、エド・ウッドなんかを彷彿とさせるいい意味でチープかつお茶目なZ級映画精神の迸り。亡き母がかけた黒魔術によって、NBA選手として活躍すべく運命を背負ったフィリピン人とアメリカ人の血が流れる青年、マイケル・ジョーダン・ウリリが主人公って時点で、もう面白い。4月5日より公開。