フィリピン人映画監督、ティミー・ハーンの作品だ。フィリピンの監督といったらラヴ・ディアスが有名で、登場人物のバックボーンを通して同国をめぐる複雑な歴史を物語る姿勢には、共通点を見出せるかもしれない。しかし、ディアスが今や孤高の芸術家道を邁進するのに対し、こちらに感じられるのは、エド・ウッドなんかを彷彿とさせるいい意味でチープかつお茶目なZ級映画精神の迸り。亡き母がかけた黒魔術によって、NBA選手として活躍すべく運命を背負ったフィリピン人とアメリカ人の血が流れる青年、マイケル・ジョーダン・ウリリが主人公って時点で、もう面白い。4月5日より公開。
『海賊のフィアンセ』を観る。
知る人ぞ知る異端の映画監督、ネリー・カプランが1969年に発表した作品だ。舞台は架空の村テリエ。そのはずれで母と暮らすマリーは、不法滞在者であるがゆえに、他の村人たちからつまはじきにされている。母が...
『THE END(ジ・エンド)』を観る。
ポストアポカリプス的な状況下の地球において、地下シェルターで贅沢に暮らす富裕層一家とその仲間たちのお話だ。しかし、広大な塩抗の中に設られた彼らの家はハリボテめいていて、そこで営まれる装われた普通の暮...
『ジェイ・ケリー』を観る。
年末の恒例行事となりつつある、バームバック監督作のネトフリ独占配信(とはいえ、数えてみると2、3年に1本のペースだったが)。今年、その主役を務めるのは、ジョージ・クルーニーだ。クルーニー演じるジェイ...
『ネクロポリティクス 死の政治学』を読む。
平和の象徴と目されもする民主主義は、同時に分断を生み、虐げられた者たちを死に至らしめる暴力装置として、要するにネクロポリティクスとしても機能してきたし、今もしている。黒人差別やガザの現状を鑑みれば自...
『ヒップホップ名盤100』を読む。
よくある「歴史を動かした名盤100選」ではなく、「2025年の気分で聴ける名盤100選」であることを目指したっていうコンセプトがまずいい。どんなアルバムが紹介されているかはその目で確かめていただくと...