全てのゴス・ラヴァーたちからリスペクトを受け続ける伝説的英ロックバンド、キュアーの16年ぶり新作。一曲目「Alone」のイントロの時点で、その美しさに涙を流した人も多いはず。10分越えのラスト「Endsong」に至るまで、バズりそうとか踊りやすいとか、そんな計算をけちらすような圧倒的世界観で制圧される。ロバート・スミスの美学がこの年末に鳴り響く!
『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』を観る。
この気持ちを、何と表現したらいいのだろう。本作で観客が主として目にするのは、初老の黒人女性パンジーが、誰かれ構わずキレ散らかす姿だ。「全てを終わらせたい」と言いながら、まるで死を恐れているかのごとく...
『グランドツアー』を観る。
20世紀初頭を舞台に描かれるのは、ミャンマー、タイ、日本などなど東アジアをまたにかけた、大英帝国の公務員であるエドワードと彼を追いかける婚約者モリーの壮大なイタチごっこだ。しかし、フィクションとドキ...
『ジュリーは沈黙したままで』を観る。
ベルギーのテニスクラブに属する15歳のジュリーは、天才プレイヤーとして練習に打ち込む日々を送っている。コーチが指導停止となったのは、そんなある日のこと。クラブメイトたちが動揺する中、沈黙を貫くジュリ...
『〈私たち〉とは何か 一人称複数の哲学』を読む。
「私とは何か?」と問う哲学書は数多いが、本書が問題にするのはタイトルの通り「私たちとは何か?」。著者は冒頭にこう綴る。「最初にこう考えてみよう。政治の主体とは〈私たち〉である、と」。実際、”左派と右派...
『どこかで叫びが ニュー・ブラック・ホラー作品集 』を読む。
おバカなコメディアンとして頭角を現しながら、今では映画『ゲット・アウト』をはじめとする”エレベーテッド・ホラー”の急先鋒となったジョーダン・ピール。そんな彼が編者を務めたアンソロジーには、自身のクリ...