1956年、ソ連によるハンガリー侵攻が進むなか、当時のイタリア共産党がいかにソ連から脱却し、最終的に独立の道を歩む機会を逸したのか……。ナンニ・モレッティ自身が演じる映画監督のジョヴァンニは、そんな内容の政治映画を撮影しているのだが、彼の面倒臭い性格が災いし、現場は大混乱。しかも、これまで一緒に映画を作ってきたパートナーであり、私生活では妻でもあるパオラに別れを告げられてしまったんだから、さぁ大変。果たして彼は映画を完成できるのか? という話がさまざまな映画への言及たっぷりに描かれるのだが、決してシリアスな映画ではないので安心してほしい。実際、ジョヴァンニが急に女性の履くミュールをスリッパだとして徹底批判したり、随所にジョークが挟まれるコメディだ。そして、そんな脱線とも思われるシーンをこれでもかと入れながら100分以内に収めてしまう手腕には、アッパレと言うしかない。11月22日より全国公開。
23:00〜NHK総合『フロンティアで会いましょう!』を見る。
いよいよ今シーズン最終回。火星にまつわる最前線を届ける「さらば地球!ヒトは火星に住めるのか!?」を放送。
『海賊のフィアンセ』を観る。
知る人ぞ知る異端の映画監督、ネリー・カプランが1969年に発表した作品だ。舞台は架空の村テリエ。そのはずれで母と暮らすマリーは、不法滞在者であるがゆえに、他の村人たちからつまはじきにされている。母が...
『THE END(ジ・エンド)』を観る。
ポストアポカリプス的な状況下の地球において、地下シェルターで贅沢に暮らす富裕層一家とその仲間たちのお話だ。しかし、広大な塩抗の中に設られた彼らの家はハリボテめいていて、そこで営まれる装われた普通の暮...
『ジェイ・ケリー』を観る。
年末の恒例行事となりつつある、バームバック監督作のネトフリ独占配信(とはいえ、数えてみると2、3年に1本のペースだったが)。今年、その主役を務めるのは、ジョージ・クルーニーだ。クルーニー演じるジェイ...
『ネクロポリティクス 死の政治学』を読む。
平和の象徴と目されもする民主主義は、同時に分断を生み、虐げられた者たちを死に至らしめる暴力装置として、要するにネクロポリティクスとしても機能してきたし、今もしている。黒人差別やガザの現状を鑑みれば自...