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『クルージング』 を観る。

ウィリアム・フリードキン(監)

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1970年代、NYでゲイ男性ばかりを狙った連続猟奇殺人事件が勃発した。その報に接してしたたかな衝撃を受けたのは、ウィリアム・フリードキン監督だ。なぜなら、犯人が自作『エクソシスト』に出演していた男だったから。その後、犯人と面会したというフリードキンが、事件に着想を得て1980年に手掛けたのが『クルージング』。このたび43年ぶりに再公開される本作が描くのは、身分を偽って夜な夜なゲイたちが集まるSMクラブに潜入する刑事が、犯人を探す過程でだんだんとアイデンティティクライシスに陥っていく姿だ。製作に当たって、フリードキンは徹底取材を遂行し、劇中では実際のSMクラブも登場。その意味で、上で紹介した『ヴァラエティ』と合わせて観ると、80年代のNYアンダーグラウンドのクイアな側面が、より立体的に浮かび上がってくるかもしれない。11月8日より公開。