1970年代、NYでゲイ男性ばかりを狙った連続猟奇殺人事件が勃発した。その報に接してしたたかな衝撃を受けたのは、ウィリアム・フリードキン監督だ。なぜなら、犯人が自作『エクソシスト』に出演していた男だったから。その後、犯人と面会したというフリードキンが、事件に着想を得て1980年に手掛けたのが『クルージング』。このたび43年ぶりに再公開される本作が描くのは、身分を偽って夜な夜なゲイたちが集まるSMクラブに潜入する刑事が、犯人を探す過程でだんだんとアイデンティティクライシスに陥っていく姿だ。製作に当たって、フリードキンは徹底取材を遂行し、劇中では実際のSMクラブも登場。その意味で、上で紹介した『ヴァラエティ』と合わせて観ると、80年代のNYアンダーグラウンドのクイアな側面が、より立体的に浮かび上がってくるかもしれない。11月8日より公開。
23:00〜NHK総合『フロンティアで会いましょう!』を見る。
いよいよ今シーズン最終回。火星にまつわる最前線を届ける「さらば地球!ヒトは火星に住めるのか!?」を放送。
『海賊のフィアンセ』を観る。
知る人ぞ知る異端の映画監督、ネリー・カプランが1969年に発表した作品だ。舞台は架空の村テリエ。そのはずれで母と暮らすマリーは、不法滞在者であるがゆえに、他の村人たちからつまはじきにされている。母が...
『THE END(ジ・エンド)』を観る。
ポストアポカリプス的な状況下の地球において、地下シェルターで贅沢に暮らす富裕層一家とその仲間たちのお話だ。しかし、広大な塩抗の中に設られた彼らの家はハリボテめいていて、そこで営まれる装われた普通の暮...
『ジェイ・ケリー』を観る。
年末の恒例行事となりつつある、バームバック監督作のネトフリ独占配信(とはいえ、数えてみると2、3年に1本のペースだったが)。今年、その主役を務めるのは、ジョージ・クルーニーだ。クルーニー演じるジェイ...
『ネクロポリティクス 死の政治学』を読む。
平和の象徴と目されもする民主主義は、同時に分断を生み、虐げられた者たちを死に至らしめる暴力装置として、要するにネクロポリティクスとしても機能してきたし、今もしている。黒人差別やガザの現状を鑑みれば自...