数年前の話になりますが、朝出かけようとしたらアパートの出入り口でおっさんがしょんべんをしていました。

とっさにやばいと思ってしまった自分は、おっさんから見えないところに隠れるように体を寄せしょんべんをし終えるのを待ちました。遅刻しそうで駅まで走るつもりでいたのですが、なぜ何の非もない自分が隠れ黙っておっさんを待ったのかと言うと、
①しょんべんをしているところを見られてしまったことに逆上し、危害を加えられる可能性があると思った。
②危害とまでいかなくとも、おっさんの後ろを通った瞬間にこちらに振り返りしょんべんをかけられる可能性があると思った。
③直接しょんべんをかけられなかったとしても、しょんべんの気化したものを口や鼻から吸い込むような気がした。
おっさんに遭遇して立ち去るまでの時間は1分もなかったと思うのですが、急いでいた自分にとってはずいぶん長く感じました。いなくなったのでよし行こうと思い走り始めようとしたとき、おっさんがしょんべんをしていた場所をふと見てみると唖然としてしまいました。

なんとおっさんはただしょんべんをしていたのではなく、マンホールの穴にしょんべんをしていたのです。
①穴を見つけたからわざわざそこにしょんべんをしたのか
②しょんべんをしようと思ったら穴があったのか
③穴にしょんべんをしょっちゅうしてるのか
④たまたま穴にしょんべんしただけなのか
⑤右の穴にしたのはただ手前だったからなのか
いろんな疑問が湧き出てきたのですが、おっさんは朝の通勤時間に人目を気にせず自分でつくったルールに則って楽しみを見つけ、行動を起こしたということに気づいてしまい、憧れに近い気持ちを抱く自分がいました。