TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
LIFESTYLE

【#1】はじめまして。

2021.06.14(Mon)

こんにちは、スダハンナです。

2001年、ノストラダムスの大予言が外れ21世紀に突入し、地球が滅びなかったがっかり余韻が残る雨の日にわたしは誕生した。好きな食べ物はスイカ。将来の夢は、いつか馬と一緒に暮らす事。

「進路を決めなさい」と言われた時、強いて言えばいったん自由になりたかったので高校を卒業したら自由になってみた。いきなり自分の舵取りをするようでちょっと不安だったけど、赴くままに行動できる自由さは素晴らしい。

だから私は本を読んだ。映画を観た。大好きな山に行って働いた。

この記事を書くきっかけもそこにあった。友達がインスタに載せていた一冊のPOPEYE「20歳の時なにしてた?」を見つけた私はすぐ買ってむさぼるように読んだ。色んな人たちがその当時考えていた事を読んで、自分と重なってやけに感動した。どうしてもこれを書いた人に何か伝えたくなってしまった。

POPEYE Webを見つけて、雑誌を読んで今のモヤモヤが軽くなった事、願わくば何か私にもできることはないか…などをダメ元でメールを送ってみた。何日かして、バイトから帰ってきたら返信があった時は驚いた。

その後ビビりながらも編集部の方々とお会いでき、私が山小屋で働いていた話を面白い、記事にしてみましょうと言っていただいたので初コラムを書く事になった。

人とちがうことをするって大変だけど、今私は史上最高に生きてる感じがするし、なにより面白い。

そんなわけで今回は、私が去年住み込みで働いていた尾瀬にある温泉小屋での生活を思い出しながら書こうと思う。

全4回でお送りするこのお話、まずは小屋に向かう事から始まる。この道もなかなか普通じゃなかった。

始まりの日

私は家の外ではWiFiに繋がっていないスマホで生活している。山でもそれは同じで、GPSさえあれば使えるアプリを駆使してこの日も私は1人で歩いていた。

温泉小屋までは歩いて行くしか方法がないのだが、この日ほどWiFiがないことを心細く思った事はない。

次第に湿原に霧が出てきて次第にあたりは真っ白になった。その時の写真がこちら。これはなんとも美しい…が、一緒に歩く人もいないので同時にだんだん怖くなってきた。

実際はレインスーツの擦れる音とクマ鈴しか聞こえないはずなのだが、無音の空間に長時間置かれると、イマジネーションは膨らんで虚音を作り出す。その時!

パキパキパキッという笹の折れる音。

背中を見せて走ってはいけない_舌を引っ張ると大人しくなる__クマの最高速度は馬にも勝る__!

いやいやいやいや、そんなことを走馬灯のように思い出してる場合じゃない!つんのめって走った。濡れた木道を分厚い登山靴で滑るように疾走した。クマ鈴は最高にうるさく鳴りまくっていた。

ヘトヘトになりながらもすごい速さで歩いていると、霧の中にぼやっと黒い直線が見えた。屋根だ。段々と色が濃くなって、ついに山小屋が姿を現した。

山小屋の仕事仲間シオリさんは、ツーブロックの髪を後ろに結んでいたので「こんなサムライとこれから働くのかと思ったヨ…」と後に語った。

結局クマには一度も出会わなかった。クマの住処である山に侵入者である私が騒ぐ方が変なのかもしれない。クマ鈴を持って歩いたりラジオをかけたりしてヒトがいる事をちゃんとクマに知らせれば、賢い彼らが私たちを避けてくれるはず。

こういう鐘が設置してある所もあるので、見つけたら遠慮せず思いっきり鳴らしてみてください。

あー山に帰りたい!

プロフィール

スダハンナ

2001年生まれ。POPEYE Webのコンタクトアドレスに一番最初にメールを送ったことがきっかけで、POPEYE Web編集部に仲間入り。最近はドイツに行きたくてバイトをしてドイツ語を勉強する日々。好きなものは馬と山。

 
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