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「フィンランド スピリット サウナ展 ―アルヴァ・アアルトも大切にした場所― 」が気になる。

@Gallery A4

ART

コエタロサウナ
撮影: Maija Holma
所蔵: アルヴァ・アアルト財団

 数年前から日本でもサウナブームが続いているが、フィンランドでは各家庭はもちろん、人が集まる場所には必ずと言っていいほどサウナがある。厳しい自然環境のなかで育まれてきたこの文化は、赤ちゃんの誕生から死者を弔う場、さらには食物の保管や心身の健康を保つ場所としても機能し、祝祭と日常の両方に深く根ざしてきた。サウナは生活の中心であり、フィンランドの人々にとってアイデンティティの一部なのだ。

 フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトにとっても、サウナは神聖な場であり、設計理念の中心に位置づけられていた。設計活動の初期には、自国が誇るサウナを核とした文化施設を大学都市のユヴァスキュラに提案したこともある。実現には至らなかったものの、その後も公共サウナから個人邸のサウナまで数多くの名作を手がけている。

 フィンランドの環境特性を重んじ、自然との共生を大切にしたアアルトにとって、サウナは単なる入浴施設ではなく、精神性を宿す特別な場所だった。今回の展覧会では、ムーラッツァロの実験住宅(コエタロ)のサウナ小屋をはじめ、代表的な住宅や公共サウナを、実寸模型、設計原図、写真などで紹介。さらに、サウナの歴史や機能、そこから広がる暮らしの文化にも目を向け、生活文化に欠かせないフィンランドの精神が宿るサウナとは何かを考える。日本で一般的にイメージされるサウナとは違う文化的な奥行きに触れられる貴重な機会だ。

コエタロサウナ小屋でサウナを楽しむアルヴァ・アアルト
所蔵: アルヴァ・アアルト財団

マイレア邸サウナ
撮影: Mikko Merckling
所蔵: アルヴァ・アアルト財団

コエタロサウナ 断面図
アルヴァ・アアルト
所蔵:アルヴァ・アアルト財団

ヘルシンキ最古の公衆サウナ「コティハルユサウナ」
© Jari Jetsonen

インフォメーション

フィンランド スピリット サウナ展 ―アルヴァ・アアルトも大切にした場所―

会期:12月19日(金)〜3月5日(木)
休館日:日、祝、年末年始(12月26日〜1月4日)、2月2日
開館時間:10:00〜18:00(土曜、最終日は17:00まで)
入館料:無料
場所:Gallery A4/ギャラリー エー クワッド 東京都江東区新砂1-1-1

Official Website
https://www.a-quad.jp/exhibitions/131/index.html

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