2人の若いモルモン教のシスターは、布教すべくある家のドアを叩く。その家に暮らす愛想のよい男性リードは、彼女たちの信仰する宗教に興味があるということで快く招き入れるのだが、ところがどっこい、話すほどにむしろリードは別の何かを信じているらしく、2人を監禁しちゃったから、さぁ大変。『ゲット・アウト』以降、ある種のトレンドをなす、「結局、普通っぽい人間が一番怖いよねー」という物語を通して、アメリカ社会に巣食う闇に肉薄する系ホラーに、宗教から切り込んだ意欲作。ほとんどリード演じるヒュー・グラントの独壇場というか、舞台劇さながらに台詞を語る姿には、惚れ惚れするしかない。4月25日より公開。
『海賊のフィアンセ』を観る。
知る人ぞ知る異端の映画監督、ネリー・カプランが1969年に発表した作品だ。舞台は架空の村テリエ。そのはずれで母と暮らすマリーは、不法滞在者であるがゆえに、他の村人たちからつまはじきにされている。母が...
『THE END(ジ・エンド)』を観る。
ポストアポカリプス的な状況下の地球において、地下シェルターで贅沢に暮らす富裕層一家とその仲間たちのお話だ。しかし、広大な塩抗の中に設られた彼らの家はハリボテめいていて、そこで営まれる装われた普通の暮...
『ジェイ・ケリー』を観る。
年末の恒例行事となりつつある、バームバック監督作のネトフリ独占配信(とはいえ、数えてみると2、3年に1本のペースだったが)。今年、その主役を務めるのは、ジョージ・クルーニーだ。クルーニー演じるジェイ...
『ネクロポリティクス 死の政治学』を読む。
平和の象徴と目されもする民主主義は、同時に分断を生み、虐げられた者たちを死に至らしめる暴力装置として、要するにネクロポリティクスとしても機能してきたし、今もしている。黒人差別やガザの現状を鑑みれば自...
『ヒップホップ名盤100』を読む。
よくある「歴史を動かした名盤100選」ではなく、「2025年の気分で聴ける名盤100選」であることを目指したっていうコンセプトがまずいい。どんなアルバムが紹介されているかはその目で確かめていただくと...