ライフスタイル

第4話: 植物を食べること。

文: ロジャー・マクドナルド

2021年9月3日

text: Roger McDonald

うちの庭で植えた「サラダバー」、葉っぱがいっぱい。

この1、2年「ビーガン」とゆう言葉をよく見るようになった気がする。簡単に言うと肉、魚、乳製品を食べない人のことを指す。

ビーガンになる理由は様々で、動物に対する同情、健康や環境問題と倫理観など、いろんな考えを持った人たちがいるでしょう。世界でヴィーガニズムは今急成長中で、特にリードする国はドイツ、イスラエル、伝統的にインドやイギリスが挙げられる。イギリスではこの10年間で約360%の増加があるとも言われている。日本では一定のコミュニティーでは知られている食生活だが、広く社会には浸透しておらず、レストランやコンビニの対応も遅い。

私はある病気がきっかけで2018年の終わりから事実上「ビーガン」になった。しかし私はちょっと普通のビーガンと違う食生活をしている。これを「ホールフードプラントベース食」と呼んでいて、肉、魚、乳製品の他に一切オイルやプロセスフードを取らない、さらに庭園文飾も実践している。私には心臓の脈に少し詰まりが見つかって、スタンダードな薬治療ではなく、相当ラディカルな食生活で体を治している。ラディカルと書きましたが、よく考えると我々のほとんどの祖先もこれに近い食生活を送ってきたのも事実だ(特に多くの宗教、農民の食)。このような治療はアメリカの何人の医者が特に先駆者として実践してきた。アメリカ クリーブランドで30年ほど食だけで重い心臓病患者を助けてきたドクター エッセルスティーンがその一人だ。彼は完全に食だけで、詰まった脈や心臓バイパス手術を何回か繰り返している人たちを回復に導いている。アメリカではエッセルスティーン先生の他にもディーン オーニッシュ先生やジョンマクドゥーガル先生がいる。

2019年クリーブランドでドクター エッセルスティーンのセミナーに参加したとき。

私は妻と2019年の2月にエッセルスティーン先生のセミナーに参加するためクリーブランドへ行った。西洋医学の父とも言われるヒポクラテスの言葉がすごく大きく今の私に響く:「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」。少しだが、プラントベース食をフォローしている人たちとコロナの重症化についての研究も今年に入って発表され興味深い。地球環境/気候危機、超便利で安い食文化、人間の健康とは、野菜を作ることや人間以外の生き物に対する共感。食べることの裏にはこのような「大きな」テーマもあり、何よりも食のすごいとこは今日から実践できることだ!自分の生活にできる範囲でやってみること、そしてそこから必ず新たな発見があると思う。

コールドウェル・B・エセルスティンが書いた本(日本語訳松田麻美子 ):血管をよみがえらせる食事 最新医学が証明した心臓病・脳疾患の予防と回復

2021年に発表されたプラントベース食とコロナの重症化の研究論文(英語):https://nutrition.bmj.com/content/early/2021/05/18/bmjnph-2021-000272

執筆者プロフィール

ロジャー・マクドナルド

東京都生まれ。幼少期からイギリスで教育を受ける。大学では国際政治学を専攻し、カンタベリー・ケント大学大学院にて神秘宗教学(禅やサイケデリック文化研究)を専攻、博士課程では近代美術史と神秘主義を学ぶ。帰国後、インディペンデント・キュレーターとして活動し、様々な展覧会を企画・開催。2000年から2013年まで国内外の美術大学にて非常勤講師もしている。2010年長野県佐久市に移住後、2014年に「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。