Akira Sorimachi
プロフィール
ソリマチアキラ
そりまち・あきら|1966年、東京都生まれ。20代前半からイラストレーターとして活動し、『POPEYE』をはじめ数多くの雑誌や企業広告のイラストを幅広く手掛ける。
Q1. あなたと『POPEYE』の関わりについて教えてください。
中学3年から高校1年くらいにかけて、ファッションに少しずつ目覚めていくなかで、アイビーとか古着の情報を『POPEYE』から教わっていました。
高校生の頃はアルバイトをして、自分で洋服を選んで買うようになりましたが、原宿の古着屋さんを回るきっかけになったのが『POPEYE』でしたし、与えられた影響は大きいですね。
ーー最初に『POPEYE』でお仕事をされたきっかけは?
20代前半、フリーランスになる直前のバーで働いていた頃に、小さいカットを任せていただいたのがきっかけでした。どんな内容だったかは覚えていないですが、音楽の新情報みたいなものがポツンと載っているページでイラストを使っていただいて。
それがきっかけで、イラストレーターとしての仕事をスタートしました。木下(孝浩)さんが編集長をされていた頃には、ファッションのページでよく使っていただきましたね。もう30年以上になっちゃいますね。
Q2. 「シティボーイ」と聞いて最初にイメージする服、または物は何ですか?
18歳の頃に働いていた原宿の古着屋『ボイス』。そこのお客さんはビンテージミックスみたいなスタイルをよくやっていたから、シティボーイと聞くとブレザー、スポーツコート、マドラスジャケットなどが思い浮かびます。あと、西海岸スタイルのような、アイビーでないアメリカンスタイルも、シティボーイが始めたイメージですね。
Q3. あなたのスタイルに欠かせないTシャツについて教えてください。
Tシャツはね、インナー以外ではほとんど着ないんですよ。夏でも、半袖のシャツは着ますけど、Tシャツ1枚というのはなかなか。近所に買い物に行くくらいですかね。最近だと〈サンスペル〉のボーダーのTシャツが涼しげで気に入っています。
Q4. あなたのスタイルに欠かせないシャツについて教えてください。
ジャケットを着ることが多いので、ビスポークのシャツはよく作ります。生地も柄も全部自分の好みにして、春夏用、冬用、という感じで何パターンか揃えておくようにしています。
基本的には、スーツを仕立ててもらっている『バタク』さんで一緒に揃えることが多いです。今着ているものは違うお店で、50年代のコットンスポーツシャツ風に作ったもの。いかにも「50’s」というコテコテのスタイルはあまり好みじゃなく、その時代の普通のスタイルというか、普通のおじさんがしていたような恰好が好きですね。
Q5. あなたのスタイルに欠かせないスウェットやフーディについて教えてください。
30代の頃はヴィンテージがすごく好きで、たくさん集めていたこともありました。スタイル的には、セットインスリーブやV字の汗取りがついているスウェットが好きで、今でも〈ナイジェル・ケーボン〉のものは買っちゃいますね。
Q6. あなたのスタイルに欠かせないニットについて教えてください。
ハイゲージの〈ジョンスメドレー〉のクルーネックとタートルネック。もう少しミディアムな厚めのものだと〈ウィリアム ロッキー〉もよく使いますね。あとは、しっかりした造りの〈インバーアラン〉も好みで、そういった昔からの王道のものを選びます。10代の頃からずっと変わらないですね。
ブランドもマイナーチェンジを重ねてはいつつも、基本的には変わらないものづくりをしているから、安心できる。自分の体への馴染み方もわかっているので、古びたり傷んだりした場合に、だいたい同じものを買い足していることが多いです。10年、20年も大事に着ているものもあって、特に〈インバーアラン〉はもう30年以上着ています。ニットは結局、いいものを買ってずっと着るのが一番お買い得ですね。
Q7. あなたのスタイルに欠かせないアウター(コート、ジャケット、ダウンなど)について教えてください。
クラシックコート。よく使うのはステンカラーのタイプです。ヴィンテージの〈アクアスキュータム〉のトレンチコートは、20年以上使っています。ウールの暖かいコートだと、ビスポークで作ったカバートコートやダブルのアルスターコート。あとはウールのクラシックラグラン、ステンカラーのツイードバージョンは、自分の中の定番として着ていますね 。
こういったアイテムへのインスピレーションは、穂積和夫先生の『アイビー・ボーイ図鑑』。高校の時から愛読していて、ほとんどのアイテムを頭に叩き込んできました。クラシックなものってずっと使えるし、時間が経っても古臭い格好にはならない。そういう面では、あんまり浮気する機会がないという感じですね。
Q8. あなたのスタイルに欠かせないパンツやジーンズについて教えてください。
ジーンズも持ってはいるんですが、どちらかというとチノパンの方がよく穿くかな。あと、コットンパンツもビスポークで作っています。パンツ自体はそんなにたくさん持たず、10本くらいで回しています。
Q9. あなたのスタイルに欠かせない靴について教えてください。
ローファーと、前が一文字で飾り穴があるセミブローグ。やっぱりフルブローグはちょっとしつこさがあるので、セミブローグの方が多い。シンプルなスーツにはセミブローグ、もっとカジュアルに着る場合はローファーが多いですね。
スニーカーだったら、デッキシューズの形が好きなので〈トップサイダー〉とか、〈コンバース〉のスキットグリップとか。ジャケットにも合わせられるので。
Q10. あなたのスタイルに欠かせないスーツがあれば教えてください。
20年以上『バタク』のビスポークで作っています。基本の形はブリティッシュのラインだけど、完全に英国式というよりは東京の風景に合うような、少しソフトなオーダーにしています。
今は、アメリカンなスーツを作ろうかなと思っています。『バタク』が作るアメリカンスーツは大人っぽくて、中年以降が着られるスーツとしてかっこいい。それに、アメリカンスーツは体の締め付けやシェープが少ないので楽なんですよね。その心地よさを試してみたい。
スーツを最初に作ったのは20代半ばくらいで、そのときは渋谷の『ボストンテーラー』でアイビースーツを。そこから歳をとってヨーロピアンがいいなと思い始めた頃に、サヴィル・ロウの古い時代からの作り方を研究なさっている『バタク』にお願いするようになりました。
ーー「東京の風景に合うように」とのことですが、洋服と街の景色の関係について詳しく教えてください。
英国のクラシックだと、どうしても演劇の衣装みたいになってしまうんですよ。東京を歩くときにそれだと、景色とちぐはぐになる。僕は、着ているものと背景は合う方がいいと思っているんです。自分がこれから行く場所を思い浮かべて、「あの景色ならこの服を着たいな」と考えますね。
Q11. あなたのスタイルに欠かせないソックスやアンダーウェアを教えてください。
ソックスやアンダーウェアは消耗品なので、高級品ばかり買うことはなく、自然素材が多く使われているものを選びます。化学繊維より、肌触りや履き心地がいいから。ソックスは〈パンセレラ〉、アンダーウェアはこれからの夏だと、〈ユニクロ〉の「エアリズム」のノースリーブVネックですね。ドレスシャツの場合は、あまり首元からTシャツを見せたくないので、Vネックがいいんです。
Q12. あなたのスタイルに欠かせないファッション小物を教えてください。
サングラスは〈カトラー アンド グロス〉をよく使っています。それと、18歳からずっと使っている〈レイバン〉の「ウェイファーラー」。今日本で売っているものとは違い、昔のアメリカ製は少し角度がついて格好いいんですよ。今のメガネはフランスの〈レスカ〉のもので、ボストンとウェリントンの中間のようなフレンチシェイプです。
帽子は〈モンテクリスティ・パナマ〉の、真ん中から折れるオプティモタイプ。20年前に、青山の骨董通りの小さなヨーロッパのセレクトショップで見つけたセール品です。
Q13. あなたの好きなバッグについて教えてください。
〈グレンロイヤル〉のレザートートを修理しながら使っています。クタクタなんですけど、何でも放り込める。あとは〈グルカ〉のナンバー5。
Q14. 夏のワードローブであなたのスタイルに欠かせないアイテムを教えてください。
リネンのスーツ、シャツ、パンツ。
Q15. 冬のワードローブであなたのスタイルに欠かせないアイテムを教えてください。
ツイードジャケットとクラシックコート。タイドアップしないときは、タートルネックでコーディネートすることが多いですね。ジャケットの下に合わせるのは、ハイゲージの〈ジョンスメドレー〉かな。
Q16. 身だしなみで大切にしていることはなんですか? ハンカチは持ち歩きますか?
もちろんハンカチは持ち歩きます 。夏場は汗をよく吸ってくれる手ぬぐいを持つことが多いですけどね。
ただ、あまり人前で見だしなみを気にしないことが、逆に見だしなみかなと思っています 。ずっと鏡を見ている人は、ちょっと格好悪いなと。だから、ネクタイを一回決めたら、もう人前ではいじらないです。
Q17. 雨の日に使う、お気に入りのアイテムはありますか?
〈フォックス・アンブレラ〉の折りたたみ傘が自分の定番です。長傘なら『丸善』オリジナルの傘はかれこれ20年以上使っていますね。大きくて軽いんだけど、巻くとピュッと細くなってかっこいいんです。ステッキのような佇まいで、英国の〈スウェイン・アドニー・ブリック〉とか〈フォックス〉と近い雰囲気を持っていて。昔、イラストレーターの斎藤融さんが『エスクァイア』かなにかの記事で『丸善』の傘を差している写真があって、それが格好よくて手に入れました。
Q18. ファッションでお金をかけるべきアイテムは何だと思いますか?
やっぱり長く使うものは、質の良さにこだわりたいです。セーターもそうですし、スーツや靴も。特にスーツの魅力のほとんどは生地で決まると思うので、ちゃんとお金をかけて長く使いたい。
Q19. あなたのスタイルや服の着方に影響を与えたものはなんですか?
古着ですね。自分のスタイルを形作った最初のアイテムだったので、そこからの発見が多いです。
あとは、写真集や画集。昔のクリエイターや絵描きさんってお洒落な人が多くて、影響を受けますね。例えばマルチアーティストのセシル・ビートン。彼はビシッとした英国スタイルが上手な人でした。それとデビッド・ホックニー。色使いも素晴らしく、割とクラシックなものを多く着ています。アンディ・ウォーホルも、一見アバンギャルドに見えるんですが、いつもトラッドな着こなしをしていて、理想的ですね。
Q20. 洋服の管理やメンテナンス、保管について、こだわりやコツがあれば教えてください。
虫食いが怖いから、季節が来たら防虫剤をしっかり交換する。それくらいですね。
ウールのスーツは滅多にクリーニングに出さないです。出すとスーツの質が落ちてしまうから、ブラッシングでケアする方が良い。シャツはこまめにクリーニングし、仕上がりはいつも「畳み・糊なし」を指定します。ペラペラなハンガーだと形が崩れるから、太いものを使っています。
Q21. お気に入りの旅先はどこですか? そこでの過ごし方は?
今は全然旅をしていなくて、わからないですね。何十年も前はANAの機内紙『翼の王国』で取材連載を持っていたので、毎月色んなところへ行って楽しんでいました。
Q22. 旅の荷造りや旅装で重視していることは?
旅の荷物はなるべく少なめに持っていき、困ったら現地で買う。旅先では、夏場は薄着だとポケットがなくて困るから、トートバッグや〈ブレディ〉の小さなショルダーバッグを使います。冬はコートのポケットに財布も携帯も全部入れられるので、手ぶらが多いですね。
Q23. 旅に欠かさず持っていく便利な道具、お気に入りの持ち物について教えてください。
これといった便利なものは持っていないですね。髭剃りは、ずっと家でも使っている〈ブラウン〉の電気シェーバー。本当に普通のものしか持たないです。
Q24. シティボーイが一度は行ったほうがいい海外の店、または場所を教えてください。
1997年頃にANA「翼の王国」の取材でニューヨークへ行ったとき、編集長だった粕谷誠一郎さんに「P・Jクラークスのハンバーガーは絶対食べた方がいい」と言われて食べたんです。ステーキのような味がして、衝撃的。今はわりとスタンダードなんでしょうけど。
Q25. お気に入りの本屋や古書店を教えてください。
やっぱり神保町へ行くことが多く、写真集や洋書を探すなら『小宮山書店』、雑誌系は『magnif』によく行きます。昔は『源喜堂書店』で、’60年代の『メンズクラブ』やアメリカの本家の『プレイボーイ』、あとは『MADE IN U.S.A. catalog』なんかを買っていました。
Q26. お気に入りの美術館、博物館を教えてください。
目黒の『東京都庭園美術館』。あとは、六本木の『国立新美術館』もいいし、丸の内の『三菱一号館美術館』も好きですね。
Q27. 東京であなたが好きな街とその理由を教えてください。
丸ノ内と銀座。ピリッとした緊張感があるというか、いい加減な格好を許してくれない街の方が好きですね。そういう東京の風景が残って欲しいなという願望もあります。
Q28. もし1日だけ過去の東京に戻ることができるとしたら、いつの、どこのエリアに行きたいですか?
1980年代半ばの夜の西麻布や原宿。デザイナーやクリエイター、音楽関係の人が夜な夜な集まって、『TOOLS BAR』や『ピカソ』、『328』といった店が朝まで賑わっていました。僕はまだ20歳そこそこでしたけど、低音が外まで響いていて、最高に楽しかったですよ。
Q29. 海外から遊びにきた友人を連れていきたい東京の場所は?
高級店よりも、プロの呑兵衛がいっぱいいるような焼き鳥屋さんですね。中延駅前にある『加賀屋』とか。海外の友人の反応を見るのも楽しそうだなと思います。
Q30. ふと食べたくなる“東京の味”は?
老舗の寿司屋さんで出される、マグロを醤油と砂糖だけで煮詰めたような付け出しの味。関西の人からすると「濃くて甘ったるい」って言われますが、僕はあの「しょっぱ甘辛い」味が、小さい頃の記憶にある東京だなと感じます。
Q31. 東京のお気に入りの蕎麦屋を教えてください。
神田の『やぶそば』や『まつや』。それからゆっくり飲めるお店だと、学芸大学の『やっ古』。
Q32. 東京でお気に入りの喫茶店、またはカフェを教えてください。
青山の『カフェ・レ・ジュ・グルニエ』。表参道で降りて『ブルックス・ブラザーズ』の方へ曲がって入っていく細い路地にある、中華の『だるま』の手前の2階です。いつも頼むのは「カフェ・グラッセ」。シェイクして冷たくしたコーヒーとミルクのバランスが良いんです。
Q33. 東京でお気に入りのバーや酒場を教えてください。
銀座の『バー・フォーシーズンズ』。スタッフの腕前が素晴らしいので、間違いなく美味しいカクテルが飲めます。いつも頼むのはジントニックかマティーニ。
80年代半ばに銀座でバーテンダーをやっていた頃、ある夕方に白い髪の紳士が紺のブレザーを着て、一人でマティーニを飲んでいる姿を見かけて。それが本当に格好よくてね。マティーニは一番シンプルですが、バーテンダーにとっては一番難しいカクテルだと思います。
Q34. 東京での好きな移動手段は?
地下鉄。暮らしている中延エリアは、JRも地下鉄も通っているので、便利ですよ。もちろん、スーツやシャツを着ていても席が空いていれば普通に座ります。シワなんかは全然気にしなくて、逆に自然なシワができた方が、スーツはかえって格好いいと思っているので。
Q35. シティボーイにおすすめしたい本、映画、音楽があれば教えてください。
池波正太郎のエッセイ『青春忘れもの』 。あとは向田邦子さんの短編集。翻訳やの男の新品コートをシナリオライター時代の彼女自身がわざと、お尻の下に敷いてシワシワにしてから「これを着なさい、その方が様になるから」と渡すエピソードがあって。ステンカラーコートは少しシワがあるくらいが格好いいんだという美学を教えてくれます。
映画なら石原裕次郎の『狂った果実』。当時の若者たちが白いローファーにスーツを合わせたり、アロハシャツにプリーツパンツを穿いたりしてクラシックカーを乗り回すスタイルは、今見ても影響を受けます。海外映画ならジャック・タチのコメディシリーズや、ウディ・アレンの古い映画、『007』のショーン・コネリーのスーツスタイルは勉強になります。
音楽は古い音が好きで、’60年代のジャズやラテン、昔のデパートの館内で流れていたようなイージーリスニング系をよく聴いています。
Q36. お気に入りのラジオ、ポッドキャスト、YOUTUBE、SNS、またはウェブサイトはありますか?
ラジオが好きで、午前中はニッポン放送の『あなたとハッピー!』、午後はTBSラジオがお決まりのパターンですね 。週末はNHKのピーター・バラカンさんの番組を聴いたり、インターネットラジオの「AccuRadio」というアプリをBGMとして流したりしています。ポッドキャストでは、みうらじゅんさんと山田五郎さんの『本当はかっこ悪い70年代』をよく聴いていますね 。
Q37. あなたの部屋にあるお気に入りのモノについて教えてください。
アンティークのレターラック。木の落ち着いた感じが好きです。あとは、ネットでまとめ買いしたワインのストックを、少しずつ試すのが最近のささやかな楽しみです。
Q38. 生活の中で決まったルーティンがあれば教えてください。
毎朝必ず、市販のトマトジュースとバナナを食べること。それと、旬のものは絶対に食べること。
Q39. 小腹を満たしたいときに家で何を作りますか? または、好きなおやつはなんですか?
小腹が空いたときは家でパスタを作ります。一番好きなのはシンプルなペペロンチーノですが、具がないと栄養面が気になるので、冷蔵庫にある野菜やキノコを色々入れて、ペペロンチーノ風に味付けして食べることが多いです。
Q40. コーヒー派? 紅茶派? 日本茶派? それらを美味しく飲むために工夫していることはありますか?
春から夏にかけての定番は、水出しのアイスティー。『ルピシア』の「アールグレイ・グランドクラシック」という茶葉が気に入っています。作り方は、1リットルのボトルに茶葉を10グラム入れて、お水を満たして冷蔵庫に6時間ほど置いておくだけ。濁りのない綺麗なアイスティーが簡単にできるので、寝る前に作って朝飲む、というのをずっと続けています。遊びに来てくれた方にも美味しいと好評なんですよ。
Q41. 髪のお手入れはどうしていますか? グルーミングで愛用している道具は?
髪型は昔から変わらずオーソドックスなスタイルを維持しています。シャンプーは、とにかく自分がリラックスできる、香りが好きなものをずっと使い続けていますね。
Q42. お気に入りの香水があれば教えてください。
その日の格好や出かける場所に合わせて、ほんの少し、さりげなく香るものを選んでいます。池波正太郎さんのエッセイにもありましたが、大人の最低限のマナーとして、出かける前にちょっと小粋な香りを纏う、というのはお洒落の仕上げとして素敵だなと思っています。
Q43. 愛用しているペンとノートについて教えてください。
普段アイデアを書き留めたりメモしたりするのは、いたって普通の鉛筆や、シンプルなサインペン。高級な万年筆より、手に馴染んでガシガシ使える消耗品の方が僕の性分には合っているんです。ノートも、装飾のない無地のシンプルなスケッチブックやノートパッドを長年愛用しています。
Q44. ずっと使い続けている人におすすめしたい日用品や食品はありますか?
食品なら、やっぱり『ルピシア』の「アールグレイ・グランドクラシック」の茶葉。日用品なら、25年以上前に買い揃えてからずっと使っている、木のアンティークの道具たち。手入れをしながら使い込むほど味わいが増すので、手放せない魅力があります。
Q45. 友人の家に遊びにいく際に、定番にしている手土産はありますか?
自分が本当に美味しいと納得しているもの。例えば、家で飲んでみて「これは当たりだな」と思ったワインを1本持っていったり、季節を感じられるちょっとしたおつまみを選んだり。相手に気負わせず、その場で一緒に開けて気軽に楽しめるようなものを選ぶことが多いです。
Q46. 休日は何をして過ごすことが多いですか?
休日は、お気に入りの家具に囲まれた自宅の部屋で、ラジオやお気に入りの音楽を流しながら、のんびり読書をしたりパスタを作って食べたりする、静かな時間が理想です。夕方からは、『バー・フォーシーズンズ』にふらりと出かけて、最高のマティーニを一杯嗜む。そんな風に、自分の好きな定番のルーティンをなぞるような一日が一番贅沢だなと感じます。
Q47. つい集めてしまうもの、または勝手に集まってくるものはありますか?
ニットタイ。お洒落な横ストライプや、新鮮な色合いのものを見かけるとつい手が伸びてしまって、今では30本近くあります。あとは、ネット購入しているワインのボトル。外れを引くこともありますが(笑)、部屋の片隅に何本かストックが並んでいる景色は、眺めていて悪い気がしないですね。
Q48. 若い頃の自分にひとつだけアドバイスするとしたら?または若いうちに経験した方が良いことは?
「とにかく自分の目と足で、本物や、格好いい大人の姿をたくさん見ておきなさい」ということですね。僕が10代から20代の頃に、原宿の古着屋さんでトレンドに敏感なお客さんたちを見たり、’80年代の西麻布の夜のクラブでクリエイターたちの熱気に触れたりした経験は、今の僕のスタイルの揺るぎない血肉になっています。若い頃にインプットした格好いい大人の記憶は、歳を重ねてから大きな財産になりますからね。
Q49. あなたにとってシティボーイとは?
自分が生きる街の背景や景色をちゃんと理解していて、そこに自分の服装や振る舞いを美しく調和させることができる人、でしょうか。ただ流行りの服を追いかけるのではなくて、これから行く場所や会う相手に対する敬意を、クラシックな装いを通して自然に表現できる人こそが、スマートなシティボーイなのだと思います。
Q50. あなたがシティボーイだと思う人は誰ですか?
若い頃に銀座のバーで見かけた、ブレザーを着てマティーニを飲む白髪の紳士。街の景色に溶け込みながら、自分だけのクラシックな美学を漂わせている姿こそ、僕が心から格好いいと思う、究極のシティボーイの理想像です。
2026年8月18日

