ファッション
POPEYE ONLINE STORE 第2弾 インタビュー Vol.1
雑司ヶ谷の『CUP AND CONE』が作った東京のチノパン。
2022年6月22日
photo: Wataru Kitao
『POPEYE ONLINE STORE』の第2回が、6月27日(月)の12時にオープン!
これに先駆けて、今回コラボレーションした5つのショップの店主へのインタビューを公開。
雑司ヶ谷の『CUP AND CONE』店主・依田亮さんとは、ショップが2013年にオープンした3日後からのお付き合い。今回はPOPEYEに店がはじめて載った、2013年6月号「東京タウンガイド」をアイデアソースにして、チノパンを作ってくれました。

CUP AND CONE × POPEYE
Cotton Twill Easy Pants ¥15,400(tax in)
from POPEYE #794 2013年6月号「東京タウンガイド」


ーーこれって〈CUP AND CONE〉の定番ですよね。ヒップとワタリがデカくて、いい感じにテーパードしていて。
そうですね。ウェストはゴムとドローコードで締めるから、かなりリラックスした感じではけます。だけど裾に向かって結構テーパードされていて長さも絶妙な塩梅に設定しているから、だらしなくなりすぎず、ちょうどよくはけるパンツです。
ーーストリート感があって、品もあって、というのを考えてアップデートしてきているイメージがあります。今のモデルで、もう何代目ですか?
7代目くらいですかね。もともと、〈ディッキーズ〉の874を自分でミシンで縫い直して、形をカスタムしてはいていたんです。それが一番最初。いろいろ改良して自分で調子よくはいていて、信頼できる工場にそのまま渡して「これを御社で作れる形で作ってください」って頼んで出来上がったのが原型ですね。
ーーヘぇ〜、一番最初は874だったんですね。
そう。874ってワークウェアの工場で作られているから、ベルトループごと縫っているとか独特なクセがあるんだけど、そういうのは省いてシンプルに、でも生地は100%コットンのしっかりしたツイルに、という感じで。
ーーこの形にたどり着いてどのくらいですか?
まだ1年くらいですね。前はもっとテーパードがキツかったり、丈が短かったり、極端なところもあったんですけど。
ーーそれで、コラボで作るパンツのデザインソースとして、今回選んでくれた思い入れのある1冊は、2013年6月号の「東京タウンガイド」ですね。
うちの店を初めて取材してもらった号です。



ーーお店をオープンしてすぐくらいでしたよね。
今は移転しましたが、前の鬼子母神の近くの場所で、2013年の3月にオープンしました。金曜の夜にレセプションパーティをやって、2〜3日したある日の夕方に、POPEYEのライターさんがフラっと来てくれたんですよ。完全に奇跡だなって思いましたね。
ーーお店を始める前にブランド自体はスタートしていたと思いますけど、依田さんの経歴ってどんな感じなんですか?
大学を出て、文房具メーカーに就職したんです。新人だけど商品企画部に入れてもらって、都心のすごく立派なオフィスビルに私服で通勤してました。そこは当時まだ「先輩より先に帰るな!」的な雰囲気があったから、業務をこなした後に強制残業してる時間があって。そこでフォトショ・アドビ・イラレなんかをひと通り身につけちゃいました。Adobeのマニュアルなら経費が落ちたので(笑)。それがデザインができるようになる礎みたいなものですね。
ーー意外だけど、サラリーマンやってたんですね。
はい。でも1年で辞めました。今ならうまく立ち回れるかもしれないけど、23歳の僕には無理でしたね。池袋の実家でダラダラしていたら、父が見かねて「手伝う?」と。ほら、よく秋と冬にスキーとかスノーボードの商材をビッグサイトとか幕張メッセとかで大セールしているじゃないですか。父は脱サラして、あれに商品を出す自営業をやっていたんです。ああいう大セールって、全国規模で考えると各地で毎週やってるんで、父は日本を巡業して秋と冬で1年分の稼ぎを得て、春と夏は高校野球を見に行ってる、みたいな暮らしをしているんです。その手伝いを3、4年くらいやったのかな。
ーーお父さんの春と夏は、悠々自適ですね。羨ましいです。
家族からしたら「お父さん、マジ自由だな」って見えるんです。正直、それで価値観が変わったっていうのもあります。間近で見ていて、もうサラリーマンには戻れないなっていう気持ちがありつつ、でも僕はこの仕事を継ぐほど好きにはなれないと思っていて。2010年に、趣味みたいな感じでシルクスクリーンプリントでTシャツを作り始めて、原宿の古着屋『シエスタ』などに置いてもらっていたけれど、「いよいよ再就職かな」「将来どうしよう」って思いながら近所を散歩してたら、旧店舗の物件が目に入ったんです。ちょうど空いてたから「自分でお店やっちゃうかー」ってギャンブルめいた気持ちで不動産屋に問い合わせたら、家賃が安くて。これなら、例えばコンビニで夜勤しながらでも続けていけるかも、なんて思って始めちゃったんです。結婚もしてなかったし、失うものは何もない、このままよりは一発やっちゃえ、みたいな。
ーー思い切りがすごいですね。
それが27歳で、店をオープンしたら3日で『ポパイ』が来て、すぐ取材が決まって、その1ヶ月後くらいの東京特集で紹介されて、表紙にまで載っちゃったんです。小さいイラストですけど(笑)。


ーーそんなスピード感だったんですね。それで、この表紙に描かれたTシャツのイラストを、パンツのフロント、左ポケットの下に刺繍したってことなんですね。
はい。ページでも紹介してもらったTシャツです。
ーーこのTシャツはカリフォルニアのハードコア・パンク・バンド、Black Flagの代表的なロゴをパロディしているように思いますが、“CUP AND CONE”っていう名前はやっぱりそのあたりからの、アイスクリーム由来なんですか? ヴォーカルのヘンリー・ロリンズがワシントンDCの『ハーゲンダッツ』でバイトしてたし。
いや、それは本当に偶然なんです(笑)。「CUP AND CONE」っていうのは自転車の部品の名前から取りました。もともと自転車が好きで、スケートボードのイケてる服のブランドはあるけど、自転車のそういうブランドがあってもいいじゃん、っていう考えで始めたので。そしてデザインをするときは、これももともと好きだったハードコア・パンクのキャッチーなモチーフと自転車を無理矢理結びつけてました。だいぶ稚拙なデザインではあったんですけど(笑)。
ーーなるほど。これはそういう1枚なんですね。
はい。自分がプリントした中では最も版数が多い、5色刷りのデザインでした。Black Flagの誰もが知っているロゴを、自転車の世界選の優勝者に贈られる名誉あるジャージ「マイヨ・アルカンシエル」の虹色みたいなカラーリングにして。本当は黒い棒が4本なのを、アルカンシエルの5色に変えた、っていう、今考えるとバカみたいな(笑)。これも自分で刷って、なんとかやってましたね。そうそう、ページではうちのことを「パンクとバイシクルの交差点」って書いてくださったんですよ。感動しましたね。店のコンセプトをこんなに端的に、雑誌映えする言葉でまとめて、しかも間違いがない。すげえなって思いました。



ーー今の〈CUP AND CONE〉は当初とまた違った商品のラインナップで、ベーシックで質のいい服を並べていますよね。だから、今回はどんなものを作ってくれるのか、一番予想が難しかったんですが、この刺繍の、イラストの再現性がすごく高い。打ち込みの数・糸のボリュームもかなりリッチでクオリティがいいし、驚きました。
これは東京の〈Laugh & Sunny Day〉さんにやってもらいました。『MIN-NANO』のゴローさん(店主の中津川吾郎さん)に、以前一緒にものづくりをしたときにご紹介頂いて。製品になってから刺繍してもらっているので、本来はかなり難しいようなんですが、バッチリやってくださいました。
ーーかなりビシビシに打っていて、いい感じですね。
よ〜く見るとこの、黒の線と、黒の塗りつぶしとで、糸の太さを変えていて。職人だなぁ〜って思いますね。
ーーなるほど! 縁と、中とで。縁があるのがはっきりわかりますね 立体感もある。
今回はイラストをできるだけ忠実に再現したかったので。かなりキレイに、職人さんにやってもらってよかったです。


プロフィール
依田亮
https://www.instagram.com/cupandcone_jp
インフォメーション
#02 「Back Number Collaboration」
Open: 2022年6月27日(月)12:00 〜 7月10日(日)23:59:59
https://store.popeyemagazine.jp/
ピックアップ
PROMOTION
日常に溶け込む、5・5グラムの北欧デザイン。
LINDBERG
2026年6月9日
PROMOTION
〈Teva〉の「ハリケーン」で、はじめてのサンダルハイク。
Teva
2026年5月15日
PROMOTION
車体のカスタムパーツをオリジナルで作るメーカー・ダムド。その道を極めんとしつつ、フェスも音楽レーベルもやってるの!?
DAMD
2026年6月9日
PROMOTION
ナイキ本社でエア マックスの過去と未来に触れた4日間。
NIKE AIR MAX
2026年5月29日
PROMOTION
今年の夏も、Airbnbじゃなきゃ!
Airbnb
2026年5月12日
PROMOTION
あの子の〈ハイドロフラスク〉が、今日も東京のどこかで揺れる
日本の伝統色で装う、夏のはじまり
2026年5月26日
PROMOTION
カナダグースがなんだか変わったみたいだ。
Canada Goose
2026年6月11日
PROMOTION
3EYEとボートに乗る日。
Timberland
2026年6月9日
PROMOTION
〈サンタ・マリア・ノヴェッラ〉のアクア ディ ローズと、ふたりの夏支度。
Officina Profumo Farmaceuticadi Santa Maria Novella
2026年5月29日
PROMOTION
無地もボーダーも心地いい。〈無印良品〉のTシャツでこの夏も。
無印良品
2026年6月12日