近年、耳目に触れる機会が多くなった地震や山火事、洪水、津波、気候変動など自然による脅威。そして戦争、クーデター、経済危機、データ攻撃など人の手が加わった危機的状況。国立国際美術館で開催中の本展ではそのような非常事態に「常」に取り囲まれる現代の問題や危機について考える作品を8名の作家が展示する。
台湾のヴィデオ・アートシーンを牽引してきた映像作家の袁廣鳴(ユェン・グァンミン)や香港出身で台湾に拠点を置き世界的に活躍するリー・キット、カンボジアを拠点に精霊を召喚するパフォーマンスで環境問題を鋭く批評するクゥワイ・サムナンなど日本でのまとまった作品の展示が久しい作家の話題作・新作が見られる。8作家中7作家が映像によるインスタレーション作品を発表するのでそれぞれの表現の違いにも注目だ。当たり前の日常とは何かを考える機会となるのではないだろうか。

シプリアン・ガイヤール《Artefacts》2011 年
フィルム(HD から 35 ミリフィルムに変換)、サウンド、ループ
国立国際美術館蔵
©Cyprien Gaillard
Courtesy the artist and Sprüth Magers

潘逸舟《わたしは家を運び、家はわたしを移す》2019 年
ダブルチャンネル・ヴィデオ(モノクロ、サウンド)
国立国際美術館蔵
©Ishu Han

クゥワイ・サムナン《Untitled》2011-13 年
5 チャンネル・ヴィデオ(カラー、サウンド)
国立国際美術館蔵
©Khvay Samnang

キム・アヨン《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》2022 年
シングルチャンネル・ヴィデオ(フル HD、カラー、サウンド)
国立国際美術館蔵
©Ayoung Kim
Courtesy the artist

リー・キット《Tearing the world apart, yet achieving absolutely nothing. 》2025 年
Courtesy of the artist / Lee Kit

高橋喜代史《POSTER》2018 年
シングルチャンネル・ヴィデオ(カラー、サウンド)、ポスター
タグチアートコレクション/タグチ現代芸術基金蔵
©Kiyoshi Takahashi
Courtesy the artist

米田知子《絡まった有刺鉄線と花(非武装地帯近く・チョルウォン・韓国)Ⅰ》2015 年
発色現像方式印画
作家蔵
Copyright the artist
Courtesy of ShugoArts

袁廣鳴(ユェン・グァンミン)《日常戦争》2024 年
シングルチャンネル・ヴィデオ(カラー、サウンド)
国立国際美術館蔵
©Yuan Goang-Ming
Courtesy the artist and TKG+
インフォメーション
非常の常
会場:国立国際美術館地下3階展示室(〒530-0005大阪市北区中之島4-2-55)
会期:2025年6月28日(土)〜10月5日(日)
開館時間:10:00〜17:00、金曜・土曜は20:00まで※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし7月21 日、8月11日、9月15日は開館)、7月22日、8月12日、9月16 日
観覧料:一般1,500円(1,300円)大学生900円(800円)*( )内は20名以上の団体及び夜間割引料金(対象時間:金曜・土曜の17:00〜20:00)高校生以下・18 歳未満無料(要証明)
心身に障がいのある方とその付添者 1 名無料(要証明)
本料金で、同時開催のコレクション展もご覧いただけます。
Official Website
https://www.nmao.go.jp
23:06〜テレビ東京『カンブリア宮殿』を見る。
「仲間に託し、力を結集する! 巨大スーパーの”巻き込み”戦略」。北関東を中心に人気を誇る巨大スーパー「ベイシア」。”食のテーマパーク”を目指した独自の戦...

講座「公開会議 生活工芸の100年:「雑誌」と「うつわ」とその時代」をチェック。
昭和100年ともいわれる今年。こちらの「100年」はいかが。骨董、工芸、建築にまつわる鑑賞のための本『工芸青花』を刊行し、茶会、花会、茶話会等の催事を開催する「工芸青花」にて、「生活/暮し」を切口に...
21:30〜NHK Eテレ『3か月でマスターするアインシュタイン』を見る。
「アインシュタインが残した宿題って?」 アインシュタインが一般相対性理論をもとに、予言した「重力波」の存在。現代に残された「宿題」を紐解く。
「BAUM Sauna Ritualー樹は記憶している「新感覚のととのい体験」ー」をチェック。
夏の暑さにやられる今日この頃。都立明治公園内のスパ施設「TOTOPA」で開催されるイベントで、心も体も癒すのはいかがだろう。こちら、スキン&マインドブランド〈BAUM〉とサウナクリエイティブ集団『T...

「遮光1 IRUBOOKS x 保科良介」に行く。
写真家・守本勝英氏に師事し、現在はファッション誌を中心に活躍する写真家・保科良介さん。世界中の普通の路地や人々をときにユーモラスに、独自の視点で切り取った作品が魅力だ。そんな保科さんが手がけたZIN...