現代フランスの哲学者ジャック・ランシエールによる映画論集。かなり手強い一冊ではある。しかし、彼が普通に映画好きであることは、取り上げられる映画監督を見れば明らかで、そこに別に映画好きでもない哲学者が用語説明のために書いた映画論との違いがある。ヒッチコック、ブレッソン、ロッセリーニ、ペドロ・コスタ……。とりわけ、ハリウッドミュージカルの巨匠ヴィンセント・ミネリ論には我が意をえたり。「世界は舞台、舞台はエンターテイメントの世界」という「ザッツ・エンタテイメント」の歌詞から解き明かされるのは、「芸術と娯楽」をはじめ、何かと何かを分けること、あるいはその結合部分を示すことをしない、ミネリ的な方法論。それを念頭に置きつつ、「車が渋滞し現実が停止しないとミュージカルの世界に入れない『ラ・ラ・ランド』ってどうだったの?」と考えてみるのもいいかもね。¥3,740/青土社
2025年05月13日本日の予定
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「TRANSIT FACTORY 食と文化でめぐる、3日間の世界旅行」に行く。
5月16日は「旅の日」。俳人・松尾芭蕉がかつて『奥の細道』に旅立った日にあたることから提唱されたのだけど、そんな同日から、旅雑誌『TRANSIT』の3daysイベントが代官山で開催! タイトルにある通...

「Lol Coxhill & Veryan Weston: A Night in Gloucester Avenue」リリース記念展が気になる。
フリー・ミュージックの吟遊詩人として知られるサックス奏者ロル・コックスヒル(1932〜2012)& 旧知の仲であるピアニストのヴェリヤン・ウェストン(1950〜)のデュエットのカセットが2本組で、〈...

特別展示「水を味わう 水を纏う “Savor water, Embracing water”」に行く。
人間の身体の約60%を占める水分。水と睡眠さえとっていれば、たとえ食べものがなかったとしても2~3週間はどうにか生きられるなんて話もある。要するにそれくらい水は大事ってことだ。住居が外側から人を包み...

「RECLAIMED FURNITURE|0% SURPLUS」が気になる。
定番もいいけれど、知られざるコンテンポラリーなインテリアと出会うと、やっぱり心踊る。’30年代〜’80年代にデザインされた、それら日本未上陸の現行品を幅広く扱う清澄白河のニュースポット『t...

「東京蚤の市」が気になる。
古いものを大切にし、次の担い手へバトンを渡していく蚤の市。その歴史は1885年にパリではじまったとされている。以来ヨーロッパを中心に根付く素敵な文化だけど、そんな体験を東京でも作ろうと〈手紙社〉が20...