ポパイ五十周年
インタビュー集

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POPEYE 50周年記念インタビュー

Daiki Suzuki

プロフィール

鈴木大器

ENGINEERED GARMENTS ファウンダー
Nepenthes America Inc. 代表

すずき・だいき|1962年生まれ。89年にネペンテスに入社し渡米。ボストン、NY、サンフランシスコを経て、97年より再びNYにオフィスを構える。99年に〈エンジニアド ガーメンツ〉をスタート。08年CFDAベストニューメンズウェアデザイナー賞受賞。日本人初のCFDA正式メンバーとしてエントリーされている。

Q1. シティボーイと聞いて最初にイメージする服やものは?

雑誌『POPEYE』。創刊号を読んだのは、中学3年のときだったと思う。青森の弘前に住んでいたんだけど、そんな田舎の商店街の店にも、ちゃんと並んでいて。読んでみたら、めちゃくちゃ東京の香りを感じました。

それよりも前、中学2年のときに修学旅行で東京に行くことになって、デパートの三越に行けるのが一番の楽しみだった。そこで初めて見たアメリカ製のスウェットシャツが、“ウクラ”って書いてあって、すごくかっこよくて、友達と盛り上がって買ったんだよ。それがじつは、“ユー・シー・エル・エー(UCLA)”って読むことは、後から知ったんだけどさ(笑)。1976年がアメリカ建国200周年にあたるから、おそらく、それに向けて、デパートでもアメリカの服や道具を盛んに売り出していたんだろうね。

ーー創刊当時、『POPEYE』にはどのような印象を持ちましたか?

とにかく、『POPEYE』はその当時、すごい情報源で、表紙から裏表紙まで何度も往復しながら読んでいた。月2回の刊行だったけれど、とても待ち切れなくて、他よりも1日か2日早く販売する駅の売り場を見つけて、買いに行ってました。上京してからも、誌面によく登場されていた栗野(宏文)さんが、実際にビームスの店頭に立っているのを見てビックリしたな(笑)。

創刊号の表紙に、“Magazine for City Boys”とバーンと書かれていたのを見て、それ以来、“シティボーイ”と聞くと、『POPEYE』が思い浮かぶ。自分たちの世代にとっては、本当に、バイブルみたいなものだったよ。

Q2. あなたのワードローブに欠かせないTシャツは?

ポケットTシャツ。最初に着たのは〈ギャップ〉あたりで、今は〈パタゴニア〉も着ています。プリントの入ったTシャツでも、ポケットは必須です。

Q3. あなたのワードローブに欠かせないシャツは?

白のオックスフォードのボタンダウンシャツで、〈ブルックス ブラザーズ〉から〈エンジニアド ガーメンツ〉まで。シャンブレーやフランネルのワークシャツは、〈BIG MAC〉、〈OshKosh〉、〈EGワーカデイ〉など。デニムのウエスタンシャツだったら、昔の〈ラングラー〉。

Q4. シャツの袖をまくるのは好き?どのようにまくるのがしっくりくる?

好きですが、適当にまくっています。まくり方にも何種類かあるけれど、特に意識したことはありません。

Q5. シャツの胸ポケットには何を入れますか?

老眼鏡。フーディーなんかのポケットに入れると落としやすいし、ジャケットのポケットに入れても、ジャケットそのものを脱ぐことが多くてすぐに取り出せないから、シャツかTシャツのポケットに入れておくのがベスト。トップスにポケットがない場合は、中に着たTシャツのポケットに老眼鏡を入れておくかな。

ジーンズそのものは、最初のシーズンから作っていますし、メンズのワードローブとして絶対に必要なものだと思っているんですけどね。

Q6. あなたのワードローブに欠かせないスウェットシャツやフーディは?

霜降りグレーのリバースウィーブ。〈チャンピオン〉が多いです。これも『POPEYE』の影響じゃないかな。それ以前は、日本ではまだトレーナーとしか呼ばれていなくて、色も赤やブルー、ネイビー、白くらいだったから。

映画の中では観かけていたけど、霜降りグレーのスウェットのことをちゃんと知ったのは、『POPEYE』が初めてだったような気がする。いかにも、アメリカっぽいアイテムだなあと思ったよ。ソリッドなグレーよりも、霜降りの入ったグレーのほうが、どこかよさそうなものに見えてね。霜降りの中でも、80年代に〈バナナ・リパブリック〉がリリースしたオートミール色のスウェットもすごく好きだった。

そういう記憶もあって、真っ先に頭に浮かぶのは霜降りグレーなんだけど、最近は、かなり黒に近いダークネイビーも好きな色です。

Q7. あなたのワードローブに欠かせないジーンズは?どのような色合いのジーンズが好きですか?

〈リーバイス〉の“XX”モデルで、今は一本しか手持ちがありません。ベーシックなものとして、〈リーバイス〉の501、〈リー〉のライダース、〈ラングラー〉の13MWZなどは何本あってもいいね。僕の場合は、リジッド(未洗いの生デニム)の状態からしか穿かないので、色合いもさまざまになっていくけど、それぞれいいと思います。

Q8. ジーンズ以外で、あなたのワードローブに欠かせないパンツは?

軍パン。4ポケットのファティーグ(ベイカー)タイプや、6ポケットのジャングルファティーグタイプです。

Q9. あなたのワードローブに欠かせないシューズは?

〈ニューバランス〉900番台のグレーのランニングシューズ。〈オールデン〉の#8(バーガンディ)のコードバンローファー。

〈ニューバランス〉は昔から大好きなんだけど、最初に知ったのは、清水(慶三)さんと一緒に渋谷で店(「RED WOOD」)をやり始めてから、1983年に自分たちで仕入れたときだった。そのころ、スニーカーといえば色は白ばかりで、他にはブルー×イエローといった配色のランニングシューズがあったくらい。そこに、グレーをベースにした〈ニューバランス〉の990が登場して、それこそすぐに気に入りましたね。

その数年後に、少し青みがかかったグレーの1300がリリースされて、日本でも人気を博したんだけど、僕は絶対に990のほうがいいと思った。使っている木型が違うようで、1300はノーズが短めでトウがぽってりしているのに比べて、990はシュッとしてきれいに見えたんだよ。

しかも、ヌバックは苦手で、スエードが好きだったから、なおさら990の一択。それから990番台にもバリエーションが増えていって、90年台前半に登場した998あたりまでは、各モデルの違いもよく知っていたけど、それ以降はついていけなくなった(笑)。今じゃ、990のv5とv6の違いなんて、まるでわからないな。

ーーレザーシューズについても教えてください。

〈オールデン〉のコードバンローファーに関しては、何年か前まで〈ブルックス ブラザーズ〉のために〈オールデン〉が作っていたモデルがあって、本当はそれが一番。ライニングを付けていないアンラインド仕様で、もちろん履き心地も違うけれど、ちょっとカジュアル感があるんだよ。

もう手に入らなくなると聞いて、そのときに〈ブルックス ブラザーズ〉の店をまわって、買えるだけ買ったから、箱に入ったまま未使用のものが4足ある。もちろん、〈オールデン〉のほうのコードバンローファーも間違いなくいいですよ。そちらは、10足以上ストックがあるかな。80年代の初めくらいまで、コードバンといえば、色はバーガンディばかりだった。その当時の印象が強くて、コードバンだったら、やっぱりブラックよりもバーガンディを選ぶね。

Q10. あなたのワードローブに欠かせないスーツは?

〈J.PRESS〉、〈ブルックス ブラザーズ〉、〈ラルフ ローレン〉など、トラッドをベースとしたスーツで、生地はウールフラノ。色は霜降りグレーやネイビー、ネイビーにグレーのストライプが入ったものなど。

ウールフラノは個人的に一番好きな生地です。もしも1着だけスーツを持つなら、ミディアムグレーのウールフラノがいいかな。なぜかというと、上下をセパレートしても楽しめるから。特にそのスーツのパンツに関しては、ジーンズみたいに穿くことができる。トップスを変えて、ブレザーなんかはもちろんだけど、MA-1にしても、ダウンジャケットにしても、ジージャンにしたって合うんだよ。

本当にどんなアイテムとも相性がいい。スーツのジャケットのほうも、ジーンズや軍パンに合わせられるし、グレーのウールフラノはとにかく便利です。

Q11. あなたのワードローブに欠かせないソックスは?

アメリカのブランドで〈THE RAILROAD SOCK〉や〈SkaterSocks〉のもの。日本の〈ハリソン〉のクルーソックス。普段はほとんどソックスを履かないけど、総柄になったアーガイルやフェアアイルのウールソックスも持っています。

Q12. あなたのワードローブに欠かせないアンダーウェアは?

アンダーウェアのTシャツは、〈ポロ ラルフ ローレン〉の3枚か5枚パックのもので、色は白。これはもう30年以上は愛用しています。ボトムは〈UNDER ARMOUR〉のボクサーブリーフ、6インチ。これも20年来、変わりません。

Q13. 夏のワードローブに欠かせないアイテムは?

コーデュロイのショーツ。ベーシックな形のファティーグタイプやチノタイプを穿いています。畝の幅は14ウェルが基本だけど、8ウェルでもいい。色はカーキ。

Q14. 冬のワードローブに欠かせないアイテムは?

タートルネックのセーター。素材はラムズウールでもメリノウールでも、カシミアでも。色は黒です。

Q15. いつもハンカチを持ち歩いている?

バンダナを持っています。色はネイビーで白抜きの抜染がベスト。柄はいろいろあります。

Q16. フォーマルな場での身だしなみで大切にしていることは?

奇をてらわないこと。目立たないように心がけています。正統派で、きちんとしていたい。僕はネクタイも好きで、靴と同じようにたくさん持っています。

普段はそんなにタイドアップしていないけど、少なくとも4、5通りの結び方は、しっかり身につけておきたいよね。プレーンノットやダブルノットの他に、ウィンザーノットのバリエーションや、ボウタイの結び方も覚えておくといいと思う。

ディンプルの作り方はもちろん、大剣と小剣をあえてずらしたり、全体的に短めにしてみたり、いろんな楽しみ方があって、ネクタイは本当に面白い。だから、誰かがネクタイを着用していると、思わずそこに目がいってしまうね。

Q17. ファッションアイテムの中で、お金のかけがいがあるものは?

靴と時計くらいです。普段アクセサリーはあまり着けないので、特に時計くらいはいいものを手に入れたいと思う。とはいっても、とびきり高いものとかではなくて、僕にとってはメタルブレスレットで、ダイアルに数字が記されているものが基本。ブランドは〈ロレックス〉、〈チューダー〉、〈オメガ〉、〈パネライ〉など。ただ最近は、自分でデザインを手がけた〈ハミルトン〉×〈エンジニアド ガーメンツ〉の“カーキ フィールド”を、ずっと愛用しています。

Q18. 雨の日の外出に欠かせないものは?外出しないとしたら何をする?

傘。今は〈モンベル〉の超軽量タイプを使っています。レインコートやパーカはアウトドア系や、軍モノも多くて、M-51パーカなども着る。外出しないときは、家でNetflixを見ています。

Q19. 衣服のメンテナンスについて、特に大切にしていることや方法は?

特別なことは全然していなくて、洗濯機で洗って、乾燥機を使っています。ニューヨークでも、基本的にそうするしかなくてね。ちなみに、乾いた洗濯物を畳むのは得意です。

ーークリーニングはあまり利用しないんですね。

最後に服をクリーニングに出したのなんて、もう何年前になるんだろう。よっぽど大事にしたい服は、乾燥機には入れないでそのまま干すけど。それ以外は、トロピカルウールのスーツだって洗濯機に入れて、乾燥機までかけちゃうから、生地がすり減って、スケスケになってきて、しまいには破れる(笑)。

服によっては、くたびれた感じもよかったりするんだけどね。服好きな人の中には、メンテナンスが得意な人も少なくないけど、僕はそこが完全に抜けている。靴なんて、まったく磨いたことがないよ。

たまに、どうしてもきれいな格好をしないといけない場合があるから、そのタイミングで、買い替えるようにしています。そうやって、3、4年に一回くらいのペースで新調していると、なんとなく時代についていけるような気もして、ちょうどいい。そこから一度でも完全に外れてしまうと、元には戻れなくなりそうだからね。

Q20. あなたのワードローブの考え方に影響を与えた本は?

昔の『POPEYE』や『メンズクラブ』。アメリカの雑誌だったら、古い『GQ』や『GENTRY』などですね。

『POPEYE』の特集で、特に記憶に残っているのは“男前”シリーズです。その中でも、ワードローブのアイテムリストを紹介するような企画があって、たしか、お金がない人向け、そこそこお金を持っている人向け、お金持ち向け、といった感じで3つのグレードに分けられていた。

そのときは当然、お金がない人向けのアイテムリストを見て、実際に買い物をしていたんだけど、その後でちょっと余裕ができてきたら、次のグレードで紹介されているアイテムを買いに行ってみたりね。いつか稼げるようになったら、お金持ち用のワードローブを全部買ってやるぞ、と思っていました(笑)。あれは面白い企画だったな。

Q21. 着なくなってしまった服はどうする?

なるべく人に譲るようにしています。

Q22. お洒落は何のためにするのか?

洋服が好きなので、自分自身が楽しめることが一番。それが自己表現であり、自分に自信を持つことにもつながると思う。

Q23. シティボーイのための、とっておきの旅先と言えば?

ニューヨークシティ、ロンドン、パリ。やっぱり自分は洋服屋だから、服を扱っている店が充実していて、参考になる情報があふれているような都市に惹かれます。

若い頃、最初にマンハッタンにやってきた時には、事前に『POPEYE』のニューヨーク特集なんかを隅々まで読み込んでいたから、どこに何があるのかが、完全に頭の中に入っていた。だから、じつはそんなに感動や驚きがなかったことを覚えています。

ーー拠点にしているニューヨークの魅力を教えてください。

このニューヨークっていう都市のどこかにいるだけで、なんとなく「自分もちょっといい感じになれそうだな」って勘違いができるんだよね(笑)。そういう心持ちで仕事をしていると、よりいいものが作れそうな気もしてくる。

今日も生地屋とのアポイントがあって、マンハッタンに出かけたら、すごい人だかりを見かけて。何があるのかなと思ったら、「Apollo Bagels」っていう、今すごく流行っているベーグル屋でした。そういう服以外のことでも、自分の目で見ておくと、何かしらのヒントになるかもしれない。ニューヨークはやっぱり、刺激が多いんだよ。さまざまな刺激にいち早く出会える場所にいると、自然と気分も上がるね。

Q24. 旅に欠かさず持っていく便利なものは?

昔に買った〈アークテリクス〉のフリースジャケット。フライト中はこれを着ています。

Q25. お気に入りの美術館や博物館は?

「MoMA(ニューヨーク近代美術館)」や「American Museum of Natural History(アメリカ自然史博物館)」。同じニューヨークでも、アップステートにある「Dia Beacon」。

Q26. お気に入りの書店は?

ニューヨークだったら「Strand Bookstore」。サンフランシスコだったら「City Lights Bookstore」。ロサンゼルスだったら「The Last Bookstore」。

Q27. お気に入りの飲食店は?

ロサンゼルスのガーデナにある日本料理居酒屋「Otafuku Restaurant」。ダウンタウンにあるメキシコ料理の「Sonoratown」。

Q28. いいお店の条件とは?

飲食店だったら、もちろん味がよいことも大切だけど、個性的な店であること。他にはない特徴があって、働いている人にも魅力があること。

Q29. いい街の条件とは?

いつの時代にも、何かしら必ず新しいムーブメント(動き)が起きていること。

もう日本でも結構知られていると思うけど、ニューヨークでは今、ピックルボールというスポーツがすごく流行っていて。いつの間にか、街のそこらじゅうでピックルボールを楽しむ人たちを見かけるようになりました。食べものなんかも、みんなの関心が高くて、移り変わりがとても速い。政治についても、何か問題が起きると、すぐに集会やデモが行われたりする。何か気になる出来事があると、しっかり反応があるというか。そういうところが面白くて、街が生きているように感じるね。

この前、自分のコラムにも書いたけど、「Alfargo’s Marketplace」というメンズウェアのフリーマーケットがあって、これは本当にすごい。中心となって開催しているメンバーたちは、おそらく30 代なんだろうけど、誰もがめちゃくちゃ服好きで、とにかく情熱的。しかも、それぞれに行動力があるし、独自のネットワークを築いていて、今では海外からもバイヤーが駆けつけるくらい盛り上がっているんだよ。僕も若いころ、90年代の頭ぐらいは、彼らのような感じだったのかなと、ふと思いました。

Q30. あなたがもっとも「東京だな」と感じる場所や時間は?

渋谷のハチ公前広場とスクランブル交差点。長く渋谷で働いていたので、いろいろなドラマがありました。

Q31. あなたの好きな移動手段や乗り物は?

最近、一番好きなのはUberですね。すぐに迎えに来てくれるし、料金の支払いも自動で決済されるし、すごく便利。普段の移動では、地下鉄を使うのが好きです。地下鉄に乗っている人を見るのも面白いので。

Q32. 定期的に楽しんでいるスポーツは?

サーフィン、スキー。どちらも、自然との一体感が最高です。

もう歳なので、サーフィンは5月から11月までと決めているけど、ニューヨークではロッカウェイやロングビーチ、ロサンゼルスだったらマリブやマンハッタンビーチなど、結構いろんなところに行く。バケーションでハワイに行ったら、毎朝必ず海に出かけて、サーフィンしかやらなかったりします。

スキーは3年くらい前に、北海道に行って40年ぶりくらいにまた始めてみたんだけど、体力の問題もあるし、とにかく怖く感じて、全然ダメだった。それでも楽しくて。とにかく、自然の中にいる感覚がたまらない。それはサーフィンも変わらないですね。

Q33. お気に入りのラジオ番組やポッドキャストのチャンネル、ウェブサイトは?

特にないのですが、以前はYouTubeなどで落語をよく聴いていました。

Q34. 心地よい住空間をつくるために重視すべきことは?

シンプルかつミニマルなつくりで、天井の高いスペースがいいですね。広さに関しては、狭くても気にならない。特にかっこいいと思っているわけじゃないけど、昔から狭い部屋が好きで。

それこそ、若いころはアパートを借りていたんだけど、ラックや棚に服がたくさんありすぎて。その真ん中にベッドを置くしかなかったから、ずっとクローゼットの中で暮らしているみたいでした(笑)。

Q35. あなたの住空間にある植物は?

何かしらの鉢植えはありますが、植物の種類や名前というよりも、だいたいは見た目で選んでいて、メンテナンスがあまりいらないものがベストです。

Q36. 起床してすぐすることや普段の朝食は?

まずはストレッチ。そのあとトレッドミルで軽いジョギングをしてから、シャワーを浴びて、コーヒーを飲むという流れです。

Q37. コーヒーをおいしく飲むための秘訣は?

秘訣というほどではないけど、直前に豆を挽く、ということくらいかな。豆はハワイコナを使っています。

Q38. 整髪の際の、理容室や美容室の使い方は?

速い、安い、上手い。そういうところに通っています。ニューヨークではチャイナタウンにある店などで。東京だと渋谷駅近くの「BarBerサンクス」。1、2カ月に一度、襟足とサイドを刈り上げにします。

Q39. グルーミングで愛用している道具は?

石鹸は固形のものを今でも愛用しています。歯ブラシは電動で〈フィリップス〉の“ソニッケアー”をもう20年くらい使っています。

Q40. 愛用しているペンとノートは?

よく使うのはシャープペンシル。〈ステッドラー〉など、いろいろ試したけれど、今は〈ペンテル〉の「グラフギア」や「オレンズネロ」を愛用しています。ノートに関しては、特にありません。

Q41. 小腹を満たしたいときは、家で何を作りますか?

カップラーメン。出張で東京に行くたびに、コンビニなんかでそのときに売り出し中のカップラーメンを5、6個まとめて買って帰ります。でも、やっぱり「緑のたぬき」がベスト。あれはおいしい。無償に食べたくなるんだよね。

Q42. 寝る前のルーティンはありますか?

ウイスキーのナイトキャップ(寝酒)。寝るときには、YouTubeで雑学のチャンネルを聴いています。雑学の内容は本当にさまざまなんだけど、そんなに真剣に聴いているわけじゃないから、ほとんど覚えてない(笑)。優しい語り口の女性が、丁寧に解説してくれるチャンネルがあって、今はそれにハマっているかな。

Q43. よく使う絵文字を3つ挙げるとしたら?

そのときに表示されたものから選んで使っています。

Q44. 友人の家を訪ねるときの手土産の定番は?

ニューヨークにいるときは、「Lady M」でショートケーキやチョコレートケーキを買っていきます。こちらでは珍しい日本風のケーキで、甘すぎなくて、すごくおいしい。ただ、価格もかなり高級で、ちょっとした集まりのお土産に買っても、あっという間に百何十ドルにもなるんだけどね。

もともとは和菓子派で、日本ではケーキはほとんど買わない。たい焼きや豆大福、どら焼きとか、あんこの入ったものが好きです。

Q45. 週末に欠かさず行うことは?

屋外でジョギングすること。イーストリバー沿いにバッテリー・パークまで走って、また戻ってくるという往復コースです。

Q46. つい集めてしまうもの、ずっと集めているものは?

とにかく、靴が好きすぎて、〈ニューバランス〉や〈オールデン〉に限らず、他のも合わせたら、自分が生きているあいだには、とても履ききれないくらい持っています(笑)。それでも、また買ってしまうんだよね。

10代や20代のころに、欲しかった靴が買えなかったから、その反動なんじゃないかな。当時は、服に合わせる革靴を持ってなくて、〈アディダス〉のスタンスミスを履いたりしていました。

これは後から知ったことなんだけど、スニーカーしか選択肢がない場合と、いい革靴をちゃんと持っていて、その上であえてスニーカーを選んで履く場合とでは、まるで違うんだよね。実際に、今ではどこでも〈ビルケンシュトック〉のサンダルで出かけちゃうけど、「じつは革靴も持ってるんだぜ」っていう自負があるから全然気にならない(笑)。まあ、持っているだけじゃ、本当はダメなんだけれど。あとは時計も、すでに結構持っているんだけど、さらに欲しくなってしまうもののひとつです。

Q47. やめてよかったことや習慣は?

喫煙。1999年からやめています。お酒は何度かトライしましたが、無理でした。

Q48. あなたの生活様式に大きな影響を与えた本、映画、音楽などは?

吉川英治の『三国志』。26、27歳の頃だと思うけど、3回続けて読んだ唯一の本です。いつも寝る前に読んでいたんだけど、面白すぎて、徹夜して読み切ったあとに、また最初から読み直したりしていました。もう何度泣いたことか、本当に数えきれない。

とにかく、劉備、曹操、諸葛亮といった登場人物たちのキャラクターが魅力的。最初に読んだときは、まるで『巨人の星』の飛雄馬、花形、左門みたいだと思ったな(笑)。物語の中にいろんな教訓が含まれていて、当時の若い僕にとっては、人生のすべてが詰まっているように感じられました。

最初の「桃園の誓い」から、「泣いて馬謖を斬る」場面に至るまで、そこに描かれているドラマやシチュエーションが、あとになって実際に、自分の人生の一場面に重なるようなこともあったしね。読んでよかった、すごくいい本だと思います。

映画や音楽はたくさんありすぎて、どれを挙げていいのかわかりません。

Q49. シティボーイとは、どのような人のことだと思いますか?

いい意味で、力が抜けている人。いつも余裕のある人。立居振る舞いが粋な人。

ーーそれらはどのように身につけられるのでしょうか?

どうしたらそんな人になれるのか、こちらが教えてもらいたいです。ただ、ひとつ近道があるとしたら、いい環境で育つことじゃないかな。育ちがいい人って、やっぱり、普段から言動に余裕があると思う。自分なんて全然、余裕がないからね(笑)。

確かに靴だったらたくさん持ってはいるけど。そんなにいい靴を履かなくても、いい服を着なくても、カッコよくて素敵に見える人っているんだよ。できることなら、それが一番いい。

ニューヨークでも「City Boy」という言葉は使われるけど、それは田舎者とは正反対の人とか、都会っ子といった意味合いで使われることが多いかな。

Q50. あなたがシティボーイだなと思う人は誰ですか?

白洲次郎、都築響一、石川次郎、ショーケン(萩原健一)、大竹まこと。

2026年6月19日

interview & text: Yasuyuki Takase

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