23:00〜NHK総合『レジデント・エイリアン』を見る。
人類を抹殺しにきたエイリアンが地球に不時着し、人間たちと交流するはめになるハチャメチャSFコメディー。
(5)「異星交遊」
『トリとロキタ』ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(監)の公開が楽しみ。

ベルギーを代表する社会派映画監督コンビの新作は、アフリカからベルギーに流れ着き、姉弟と偽りながら暮らす少女ロキタと少年トリを通して、移民問題にフォーカスを当てる。ビザがなく正規の職にありつけないロキタは、偽造パスポートと引き換えに、大麻栽培を強いられるのだが、その栽培所の姿があまりにもそれっぽくて驚いた(見たことはないけど)。リアリズムの真骨頂、ここにあり。3月31日(金)より公開。
YUTAKAJI 203040 ~桜の森の満開の横~@In part

東上野にあるIn partにて、スタイリスト・ブランドディレクターとして活躍する梶雄太(かじゆうた)氏による、文章作品の展示 『YUTAKAJI 203040』が開催。武蔵小山・FLOATや代官山蔦屋書店、幡ヶ谷・BULLPENでの開催を経て、物語の続編を新たに描き下ろした展示となっている。文章作品展示の他、10年前にスタートした短編小説30作品をまとめた2種類の短編集の販売や、アーティストの片岡亮介氏がデザインした特別なスウェットシャツも販売される。上野の花見ついでに立ち寄ってみては!
場所:In part (〒110-0015 東京都台東区東上野3-9-6)
期間:2023年3月25日(土)〜 27日(月)/4月1日(土)〜3 日(月)
時間: 12:00〜18:00
IMAGRATION@Gallery COMMON x Each Modern

表参道に居を構えるギャラリー・Gallery COMMONにて、台湾のギャラリー・Each Modernとの協働による展覧会「IMAGRATION」が開催される。この展覧会は東京と台北の2つの場所で開催される交流展となっていて、それぞれのギャラリーがキュレーションした現代アーティストによる作品が展示されている。Gallery COMMONではLan Chung-Hsuanのキュレーションによって原宿の「リミックス」文化からインスピレーションを得た展示となっており、5人のアーティスト(チャン・ティントン、アントン・ケンスト、フェリックス・トレッドウェル、ツェン・チェンイン、ウー・メイチー)が紹介されている。台北のEach Modernでは4月6日から開催予定で、Gallery COMMONのキュレーションによる5人の日本人アーティスト(IKEUCHI、西祐佳里、多田圭佑、Shohei Takasaki、山本和真)の展覧会が開催される。文化の垣根を越えたコラボレーションを見逃すな!
Gallery COMMON x Each Modern「IMAGRATION」
会期:2023年3月25日(土)~4月23日(日)
時間::12:00-19:00 (水~日) *月、火 休廊
『オルタナティブ』を読む。

永野(著)
芸人の永野さんが、ゴッホより普通にラッセンが好きということは風の噂で聞いていたが、まさか僕らと同じくオルタナティブなカルチャーも好きだったとは! てなことがわかるエッセイ集。取り上げられるネタは、BUCK-TICK、ニルヴァーナといった直球ロックから、『ダークナイト』やファレリー兄弟の映画まで多種多様だが、その選択眼の確かさにはギャフンと言わざるをえない。ギャフン!¥1,760/リットーミュージック
The Flavour of Power─紛争、政治、倫理、歴史を通して食をどう捉えるか?@山口情報芸術センター[YCAM]

田舎に帰ったときや人の家にお邪魔したとき「これも持っていきな!」と、大量の食べ物を手渡される。どこかで見たことがある優しい風景だが、なぜ「優しい」のか。それは、食べることが生きるうえで欠かせないからこそ、食べ物をあげるという行為がその人を”生かす”ことに直に繋がっているからだ。食はお腹を満たすだけのものではないのだ。インドネシアを拠点に活動するバクダパン・フード・スタディ・グループは「食」をテーマに、戦争や政治、経済、 科学など一見すると縁遠いと感じるかもしれないこれらの要素が、食にどのように影響を与え、そこにどのような倫理観が介在しうるのかをリサーチやアート、教育、日々の生活を通して実践している8人組のアーティスト集団。今回の展示では、映像インスタレーション、ゲーム、ワークショップなどを通して「食と倫理リサーチ・プロジェクト」の成果を発表する。研究がベースにあることで、どんなアウトプットがされているのか、大変興味深い!
「アルベルト・ジャコメッティ」展 @エスパス ルイ・ヴィトン大阪

© Succession Alberto Giacometti/Adagp, Paris 2022.
© Fondation Louis Vuitton/Marc Domage
Fondation Louis Vuitton, Paris
アルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)は、彫刻家ながら過去にはスイス・フランの紙幣にも描かれ、もはや”偉人”といっても差し支えない存在だ。ヒョロっとした人体の造形が特徴的で、実際に鑑賞すると、人間そのものに向き合ったストイックな表現に圧倒されること間違いなし。今にも折れそうなほど細い”線”から、生々しく強い生命力を感じられるのが不思議だ。しかし、ジャコメッティ本人はあくまで自分が「見えた」世界を再現しているんだとか。その姿勢は実存主義で有名な哲学者・ジャン=ポール・サルトル(1905〜1980)も絶賛するところだ。ともかく、まずは会場でじっくり見てほしい。極度に削ぎ落とされたその彫刻からは、作品を形容する言葉すらも邪魔になるほどのパワーが放たれているのだ!
インフォメーション
「アルベルト・ジャコメッティ」展
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
会期:2023年2月23日(木)~2023年6月25日(日)
時間:12:00〜20:00
休み:ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる。
料金:無料
「コレクション解体新書Ⅱ 1970年代以降の作品を中心に」@目黒区美術館

昨年11月に開館35周年を迎えた目黒区美術館による所蔵作品展。同館が開館した1987年の誕生前後の時代にフォーカスし、紹介している。所蔵作品だからとあなどるなかれ。宇佐美圭司、川俣正、高松次郎、村上友晴といった日本のアートシーンを語る上では欠かせない有名どころがずらり。展覧会タイトルの「解体新書」は、日本史テストの頻出ワード・杉田玄白による医学書のことだが、まさに目黒区美術館の”神経”や”動脈”を見せてくれているといってもいい。博物館法によると博物館(美術館)とは(ざっくりいうと)、資料の収集・保管、教育、研究、普及を目的とした機関であるそう。なにを保存し、研究し、人々に見せているのかといった”身体の内側”を知ることは、施設としての美術館の魅力を知ることでもあるはずだ!