
永野(著)
芸人の永野さんが、ゴッホより普通にラッセンが好きということは風の噂で聞いていたが、まさか僕らと同じくオルタナティブなカルチャーも好きだったとは! てなことがわかるエッセイ集。取り上げられるネタは、BUCK-TICK、ニルヴァーナといった直球ロックから、『ダークナイト』やファレリー兄弟の映画まで多種多様だが、その選択眼の確かさにはギャフンと言わざるをえない。ギャフン!¥1,760/リットーミュージック
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令和五年
2023
三月
Friday
芸人の永野さんが、ゴッホより普通にラッセンが好きということは風の噂で聞いていたが、まさか僕らと同じくオルタナティブなカルチャーも好きだったとは! てなことがわかるエッセイ集。取り上げられるネタは、BUCK-TICK、ニルヴァーナといった直球ロックから、『ダークナイト』やファレリー兄弟の映画まで多種多様だが、その選択眼の確かさにはギャフンと言わざるをえない。ギャフン!¥1,760/リットーミュージック
3月24日(金)〜31日(金)は「午後のロードショー」春の超豪華映画祭り!
1988年/アメリカ/ジョン・マクティアナン(監)
田舎に帰ったときや人の家にお邪魔したとき「これも持っていきな!」と、大量の食べ物を手渡される。どこかで見たことがある優しい風景だが、なぜ「優しい」のか。それは、食べることが生きるうえで欠かせないからこそ、食べ物をあげるという行為がその人を”生かす”ことに直に繋がっているからだ。食はお腹を満たすだけのものではないのだ。インドネシアを拠点に活動するバクダパン・フード・スタディ・グループは「食」をテーマに、戦争や政治、経済、 科学など一見すると縁遠いと感じるかもしれないこれらの要素が、食にどのように影響を与え、そこにどのような倫理観が介在しうるのかをリサーチやアート、教育、日々の生活を通して実践している8人組のアーティスト集団。今回の展示では、映像インスタレーション、ゲーム、ワークショップなどを通して「食と倫理リサーチ・プロジェクト」の成果を発表する。研究がベースにあることで、どんなアウトプットがされているのか、大変興味深い!
人気ドラマシリーズ『刑事ジョン・ルーサー』が待望の映画化。とある事情から刑務所送りとなった主人公のジョン・ルーサーは、ロンドンでのさばるサイコパスな連続殺人鬼を捕まえるべく、脱獄するが……。どこか『ダーティハリー』を彷彿とさせる重厚な刑事ドラマがなかなかいいバイブス。そして、何よりルーサーを演じるイドリス・エルバのいぶし銀の魅力がたまらない。3月10日(金)よりNetflixで独占配信。
アルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)は、彫刻家ながら過去にはスイス・フランの紙幣にも描かれ、もはや”偉人”といっても差し支えない存在だ。ヒョロっとした人体の造形が特徴的で、実際に鑑賞すると、人間そのものに向き合ったストイックな表現に圧倒されること間違いなし。今にも折れそうなほど細い”線”から、生々しく強い生命力を感じられるのが不思議だ。しかし、ジャコメッティ本人はあくまで自分が「見えた」世界を再現しているんだとか。その姿勢は実存主義で有名な哲学者・ジャン=ポール・サルトル(1905〜1980)も絶賛するところだ。ともかく、まずは会場でじっくり見てほしい。極度に削ぎ落とされたその彫刻からは、作品を形容する言葉すらも邪魔になるほどのパワーが放たれているのだ!
インフォメーション
「アルベルト・ジャコメッティ」展
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
会期:2023年2月23日(木)~2023年6月25日(日)
時間:12:00〜20:00
休み:ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる。
料金:無料
昨年11月に開館35周年を迎えた目黒区美術館による所蔵作品展。同館が開館した1987年の誕生前後の時代にフォーカスし、紹介している。所蔵作品だからとあなどるなかれ。宇佐美圭司、川俣正、高松次郎、村上友晴といった日本のアートシーンを語る上では欠かせない有名どころがずらり。展覧会タイトルの「解体新書」は、日本史テストの頻出ワード・杉田玄白による医学書のことだが、まさに目黒区美術館の”神経”や”動脈”を見せてくれているといってもいい。博物館法によると博物館(美術館)とは(ざっくりいうと)、資料の収集・保管、教育、研究、普及を目的とした機関であるそう。なにを保存し、研究し、人々に見せているのかといった”身体の内側”を知ることは、施設としての美術館の魅力を知ることでもあるはずだ!