22:00〜NHK BS1『日本の教育を変える!〜インド出身副校長 波乱の1年〜』を見る。
茨城県の名門校に民間人副校長としてやってきたインド出身の実業家。その波乱の1年に密着!
語り:川栄李奈
The Flavour of Power─紛争、政治、倫理、歴史を通して食をどう捉えるか?@山口情報芸術センター[YCAM]

田舎に帰ったときや人の家にお邪魔したとき「これも持っていきな!」と、大量の食べ物を手渡される。どこかで見たことがある優しい風景だが、なぜ「優しい」のか。それは、食べることが生きるうえで欠かせないからこそ、食べ物をあげるという行為がその人を”生かす”ことに直に繋がっているからだ。食はお腹を満たすだけのものではないのだ。インドネシアを拠点に活動するバクダパン・フード・スタディ・グループは「食」をテーマに、戦争や政治、経済、 科学など一見すると縁遠いと感じるかもしれないこれらの要素が、食にどのように影響を与え、そこにどのような倫理観が介在しうるのかをリサーチやアート、教育、日々の生活を通して実践している8人組のアーティスト集団。今回の展示では、映像インスタレーション、ゲーム、ワークショップなどを通して「食と倫理リサーチ・プロジェクト」の成果を発表する。研究がベースにあることで、どんなアウトプットがされているのか、大変興味深い!
『刑事ジョン・ルーサー: フォールン・サン』ジェイミー・ペイン(監)を観る。

人気ドラマシリーズ『刑事ジョン・ルーサー』が待望の映画化。とある事情から刑務所送りとなった主人公のジョン・ルーサーは、ロンドンでのさばるサイコパスな連続殺人鬼を捕まえるべく、脱獄するが……。どこか『ダーティハリー』を彷彿とさせる重厚な刑事ドラマがなかなかいいバイブス。そして、何よりルーサーを演じるイドリス・エルバのいぶし銀の魅力がたまらない。3月10日(金)よりNetflixで独占配信。
『永遠の映画大国 イタリア名画120年史』を読む。

古賀太(著)
イタリア映画が歩んだ、19世紀から現代にまで至る120年の足跡を、約800の作品とともに通覧したのがこちら。イタリア映画なんてネオレアリズモの筆頭ロッセリーニとあと何人だけ知ってればよくね? とタカを括っていたが、それは大河ドラマのせいで幕末だけやけに詳しい奴と同じじゃん! と反省。こんなに豊かな世界が広がっていたなら、もっと早くしりたかったぜよ。¥1,100/集英社
横浜国立大学 建築学科 卒業設計展 2023「建築で都市を耕す」@BankART Station

日本橋の真上を走るあの高速道路を、地下に移動させる計画があるらしい。すっかり見慣れた景色のなかで何気なく過ごしているけれど、こんなニュースをきくと、あのビルもこの家も誰かによって創られているんだという、ごく当たり前のことにハッとさせられる。都市は当然のように存在するわけじゃなく、自然と同じで、ほったらかしていれば朽ちていくものだ。街とどのように共生していくか考えることは、自分たちの未来を考えることにも直結する。この卒業設計展は、建築と都市のあり方について学んできた学生たちにとって4年間の学びの集大成でもある。大いに刺激を受けにいこう! 同時開催の横国大OB「円錐会」による『初出展05』も併せて訪れ、さらに理解を深めてみては!
「アルベルト・ジャコメッティ」展 @エスパス ルイ・ヴィトン大阪

© Succession Alberto Giacometti/Adagp, Paris 2022.
© Fondation Louis Vuitton/Marc Domage
Fondation Louis Vuitton, Paris
アルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)は、彫刻家ながら過去にはスイス・フランの紙幣にも描かれ、もはや”偉人”といっても差し支えない存在だ。ヒョロっとした人体の造形が特徴的で、実際に鑑賞すると、人間そのものに向き合ったストイックな表現に圧倒されること間違いなし。今にも折れそうなほど細い”線”から、生々しく強い生命力を感じられるのが不思議だ。しかし、ジャコメッティ本人はあくまで自分が「見えた」世界を再現しているんだとか。その姿勢は実存主義で有名な哲学者・ジャン=ポール・サルトル(1905〜1980)も絶賛するところだ。ともかく、まずは会場でじっくり見てほしい。極度に削ぎ落とされたその彫刻からは、作品を形容する言葉すらも邪魔になるほどのパワーが放たれているのだ!
インフォメーション
「アルベルト・ジャコメッティ」展
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
会期:2023年2月23日(木)~2023年6月25日(日)
時間:12:00〜20:00
休み:ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる。
料金:無料
「コレクション解体新書Ⅱ 1970年代以降の作品を中心に」@目黒区美術館

昨年11月に開館35周年を迎えた目黒区美術館による所蔵作品展。同館が開館した1987年の誕生前後の時代にフォーカスし、紹介している。所蔵作品だからとあなどるなかれ。宇佐美圭司、川俣正、高松次郎、村上友晴といった日本のアートシーンを語る上では欠かせない有名どころがずらり。展覧会タイトルの「解体新書」は、日本史テストの頻出ワード・杉田玄白による医学書のことだが、まさに目黒区美術館の”神経”や”動脈”を見せてくれているといってもいい。博物館法によると博物館(美術館)とは(ざっくりいうと)、資料の収集・保管、教育、研究、普及を目的とした機関であるそう。なにを保存し、研究し、人々に見せているのかといった”身体の内側”を知ることは、施設としての美術館の魅力を知ることでもあるはずだ!