『コンパートメント No.6』 ユホ・クオスマネン(監)を観る。

長編デビュー作『オリ・マキの人生で最も幸せな日』で、“ネクスト・カウリスマキ”の座に躍り出たフィンランドの新鋭、ユホ・クオスマネン監督作。恋人にドタキャンされ、1人で世界最北端駅ムルマンスクを目指すことになったラウラが、寝台電車で乗り合わせたのはとてつもなく粗野な炭鉱労働者リョーハ。最初はマジで勘弁と思っていたラウラだったが、長い時間をともに過ごすうち、リョーハの人間的な魅力に気づいていく。しっとりと、いい映画。2月10日より公開。
『今日のミトロジー』を読む。

中沢新一(著)
スケボー、シティ・ポップ、『マトリックス』、『孤独のグルメ』からキラキラネーム(!)まで、僕らにも馴染み深いポップな話題を取り上げながら、その中に潜む神話的思考を炙り出したエッセイ集。それにしても、BTS=花郎(ファラン)という説には、衝撃を受けざるを得ない。¥2,420/講談社
Aitone個展『WANDER VAGUE -彷徨える漠然-』 @CENTER/EDO

昨年、八丁堀にできた新たなアートスペース「CENTER」。本誌でもスナック×アートを追求した空間「スナックセンター」の取り組み(2月9日の18:00〜23:00にも開催するよ!)を紹介したけれど、ここでまた面白そうな展示を開催しているからご紹介。Aitoneによる個展「WANDER VAGUE -彷徨える漠然-」では、ストリートに根差した感覚を研ぎ澄ませたアブストラクトな作品が並ぶ。曖昧で抽象的。たしかに、街の景色は必ず秩序だっているとはいえない。イメージが交差する模様をぜひAitoneの目を通してみてほしい!
会場:CENTER/EDO
会期:2023年1月27日(金)〜 2月25日(土)
時間:金・土:13:00 – 19:00 / 月〜木:アポイントメントのみ。 @center_edo のDMまたはメール:center@degico.jp にて要問い合わせ。
休み:日曜日
料金:無料
恵比寿映像祭2023「テクノロジー?」@東京都写真美術館

第15回となる今年の恵比寿映像祭のテーマは「テクノロジー?」。公式サイトのデザインが面白いのでまずはPCでそちらをみてほしい。技術の発展とともに進化してきた映像芸術であるが、そこに懐疑的な視点も含め今日の映像表現について広く学ぶことができるチャンスだ。注目のアーティストたちによる展示に加え「東京ろう映画祭ー視覚の知性2023」やジョナス・メカスのスペシャル上映といった見逃せないプログラムもあるので、どんな出展があるか早速チェック!
会場:東京都写真美術館
会期:2023年2月3日(金)~2月19日(日)
※コミッション・プロジェクト(3F)のみ、3月26日(日)まで開催します。
時間:10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで、最終日は18:00まで)
休み:月曜
料金:入場無料 ※一部のプログラム(上映など)は有料/オンラインによる日時指定予約を推奨
うららか絵画祭 @The 5th Floor ほか台東区内8カ所

東京・根津の谷根千エリアを中心に全9ヶ所で開催される「うららか絵画祭」。各会場にそれぞれのアーティストやキュレーターが集い作品や展示空間を制作しているため、各々のスタイルや多様に共生する絵画表現を堪能できること間違いなし。お寺や駐車場、ギャラリーにカフェといった色んな場所で開催されているため、谷根千の新しい魅力にも出会えるはず。これは楽しみだ!
会場:The 5th Floor ほか台東区内8カ所
会期:2023年2月4日(土)~2月19日(日)
時間:10:00~18:00
休み:水曜日
料金:フリーパスチケット¥1,500- (高校生以下無料) ※一部会場無料
赤瀬川原平 写真展 「日常に散らばった芸術の微粒子」@ SCAI PIRAMIDE

Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE
赤瀬川原平といえばハイレッド・センターや路上観察学会など、活動は多岐に渡り、日本の現代美術シーンだけに収まらない活躍をみせたアーティストだ。そんな氏の自宅に残されている未発表の写真というパーソナルなものの中から、伊藤 存、風間サチコ、鈴木康広、中村裕太、蓮沼執太、毛利悠子といった豪華6名のアーティストたちが選んだ約120点を紹介。赤瀬川原平独自の視点と、それを選んだアーティストの視点を二重に楽しめる展示となっている。「日常に散らばった芸術の微粒子」という赤瀬川の活動を象徴するかのような素敵なタイトルだけでも足を運びたくなる!
会期:2023年1月26日(木)〜 3月25日(土)
会場:SCAI PIRAMIDE
時間:12:00〜18:00
休み:日、月、火、水、祝日
料金:無料
井上亜美「The Garden」 @ 京都芸術センター

竪穴式住居からマンションまで、人間が生活し暮らすために住まいは変化してきた。文明は利便性や快適さを求めて発達してきたわけだから、そう考えると、本展のテーマである「庭」は現代社会において非合理的な存在かもしれない。しかしながら自然と人工の境目にあるような庭という存在が今に至るまで失われずにいるのも、合理性や意味を超えたなにかがあるはずだ。アーティストの井上亜美はこれまで狩猟や養蜂を通して、人間と生物が生きる環境へと目を向けた制作活動をおこなってきた。本展では過去作品に加え、作家自身のアトリエの庭の細かな観察から日々生まれてきた新作を展示する。その小さな世界の大きな広がりを感じ取ろう!
会期:2023年1月7日(土)– 2月12日(日)
会場:京都芸術センター
時間:10:00〜20:00
休み:無休
料金:無料