『パゾリーニ』を読む。

四方田犬彦(著)
昨年、生誕100周年を迎え、日本でもレトロスペクティブが開催された、イタリア人映画監督のピエル・パオロ・パゾリーニ。映画監督だけでなく、詩人、小説家、政治評論家としても活動し、謎めいた死を遂げたパゾリーニの一筋縄ではいかない足跡が、おそるべき筆圧で刻みつけられた1冊。ぶっちゃけ高い。しかし、その価値は間違いなくある。¥13,200/作品社
鮫島大輔 -永遠のマクガフィン- @Bunkamura Gallery

誰もが見たことのあるありふれた建物や郊外の風景を球面上で360°繋げて描いた「Flatballシリーズ」で知られる鮫島大輔の個展がBunkamura Galleryにて開催。本展ではシリーズをはじめとした新作、平面作品を中心に展示されている。雨の雫に映し出されるように、あるいは魚眼レンズを覗き込むような独自の視点。ただ風景を切り取るのではなく凝縮してしまうことで、ありふれた景色が鑑賞者を吸い込むかのように一変する。実に不思議だ!
会期:2023年1月21日(土)~1月30日(月)
会場:Bunkamura Gallery
時間:10:00〜19:00
休み:無休
料金:無料
石井厚生展 ISHII Atsuo ―かたちのまにまに…― @ギャルリー東京ユマニテ

パブリックアートも数多く手がけ、国内外で活躍する彫刻家・石井厚生。本展ではトラバーチン(石灰華)や赤レンガを組み合わせたユーモアあふれる作品が並ぶ。”かたちのまにまに”というタイトルの言葉通り、作品に身を任せてみれば、軽やかだったりリズムがあったり、形と空間を楽しみながら鑑賞できそうだ!
会期:2023年1月10日(火)〜1月28日(土)
会場:ギャルリー東京ユマニテ
時間:10:30-18:30
休み:日曜日
料金:無料
『シャドウプレイ【完全版】』 ロウ・イエ(監)を観る。

舞台は2000年代初頭の中国。再開発地区における住民暴動の渦中、開発責任者が不審な転落死を遂げる。1人の若い刑事は事件を捜査する中で、4人の男女の一筋縄ではいかない関係にたどり着くが……。70年代後半から「改革開放」と呼ばれる、市場主義経済政策が推し進められた中国。そんな時代に翻弄された人間たちの悲しきドラマが、スリリングなアクションを通して描かれる。“中国の今”を考えるためにも観ておきたい社会派娯楽作。1月20日より公開。