「おまんじゅうちゃんVS和田まんじゅう」
鮫島大輔 -永遠のマクガフィン- @Bunkamura Gallery

誰もが見たことのあるありふれた建物や郊外の風景を球面上で360°繋げて描いた「Flatballシリーズ」で知られる鮫島大輔の個展がBunkamura Galleryにて開催。本展ではシリーズをはじめとした新作、平面作品を中心に展示されている。雨の雫に映し出されるように、あるいは魚眼レンズを覗き込むような独自の視点。ただ風景を切り取るのではなく凝縮してしまうことで、ありふれた景色が鑑賞者を吸い込むかのように一変する。実に不思議だ!
会期:2023年1月21日(土)~1月30日(月)
会場:Bunkamura Gallery
時間:10:00〜19:00
休み:無休
料金:無料
石井厚生展 ISHII Atsuo ―かたちのまにまに…― @ギャルリー東京ユマニテ

パブリックアートも数多く手がけ、国内外で活躍する彫刻家・石井厚生。本展ではトラバーチン(石灰華)や赤レンガを組み合わせたユーモアあふれる作品が並ぶ。”かたちのまにまに”というタイトルの言葉通り、作品に身を任せてみれば、軽やかだったりリズムがあったり、形と空間を楽しみながら鑑賞できそうだ!
会期:2023年1月10日(火)〜1月28日(土)
会場:ギャルリー東京ユマニテ
時間:10:30-18:30
休み:日曜日
料金:無料
パパ 大橋藍 @北千住BUoY

北千住BUoYは、2階は元ボウリング場で地下は元銭湯という歴史を持つ廃墟を改装して建てられたカフェ併設のアートセンター。現在、オブジェクトやパフォーマンスを中心に、暴力や差別の問題について扱ってきた大橋藍による展示を開催中。「パパ」と題された本展で扱われているのは作家の実の父だ。公式サイトに掲載されたステートメントからは、その個人的な体験とこうして作品に昇華するための痛みが伝わってくる。会期残りわずかなので見逃さないようにしたい。
会期:2023年1月11日(水)〜1月25日(水)
会場:北千住BUoY
時間:12:00〜20:00
休み:会期中無休
料金:無料
『シャドウプレイ【完全版】』 ロウ・イエ(監)を観る。

舞台は2000年代初頭の中国。再開発地区における住民暴動の渦中、開発責任者が不審な転落死を遂げる。1人の若い刑事は事件を捜査する中で、4人の男女の一筋縄ではいかない関係にたどり着くが……。70年代後半から「改革開放」と呼ばれる、市場主義経済政策が推し進められた中国。そんな時代に翻弄された人間たちの悲しきドラマが、スリリングなアクションを通して描かれる。“中国の今”を考えるためにも観ておきたい社会派娯楽作。1月20日より公開。
『奇妙なものとぞっとするもの──小説·映画·音楽、文化論集』を読む。

マーク・フィッシャー(著) 五井健太郎(訳)
批評家の故マーク・フィッシャーによる生前最後の著作がとうとう邦訳された。H・P・ラヴクラフト、ザ・フォール、デヴィッド・リンチ、あるいはクリストファー・ノーラン、ブライアン・イーノ、ジョーン・リンジーなどなどの分析を通して浮かび上がるのは、「奇妙なもの」と「ぞっとするもの」というこれまで過小評価されてきた感覚の重要性だ。めっちゃ知的にスリリング。¥2,750/Pヴァイン