『シャドウプレイ【完全版】』 ロウ・イエ(監)を観る。

舞台は2000年代初頭の中国。再開発地区における住民暴動の渦中、開発責任者が不審な転落死を遂げる。1人の若い刑事は事件を捜査する中で、4人の男女の一筋縄ではいかない関係にたどり着くが……。70年代後半から「改革開放」と呼ばれる、市場主義経済政策が推し進められた中国。そんな時代に翻弄された人間たちの悲しきドラマが、スリリングなアクションを通して描かれる。“中国の今”を考えるためにも観ておきたい社会派娯楽作。1月20日より公開。
『奇妙なものとぞっとするもの──小説·映画·音楽、文化論集』を読む。

マーク・フィッシャー(著) 五井健太郎(訳)
批評家の故マーク・フィッシャーによる生前最後の著作がとうとう邦訳された。H・P・ラヴクラフト、ザ・フォール、デヴィッド・リンチ、あるいはクリストファー・ノーラン、ブライアン・イーノ、ジョーン・リンジーなどなどの分析を通して浮かび上がるのは、「奇妙なもの」と「ぞっとするもの」というこれまで過小評価されてきた感覚の重要性だ。めっちゃ知的にスリリング。¥2,750/Pヴァイン