エリオット・スミスの名曲が沁みる!
1997年/アメリカ/ガス・ヴァン・サント(監)
『ある惑星の散文』 深田隆之(監)を観る。

横浜の本牧を舞台に、それぞれに悩みを抱える2人の女性(脚本家志望のルイ&かつて舞台女優として活動していた芽衣子)の日常生活が交互に映し出される。そして、最終的に2人の人生が交差する。そう書くと慎ましいテンションの作品に思われるかもしれないが、さにあらず。交互に描かれる2人の人生に流れる時間の速さが違ったり、音響設計が不穏だったり、さらっと過激なことをやっているのだ。本作で劇場公開デビューを飾った深田監督は、濱口竜介監督の『偶然と想像』で助監督を務めていたらしい。というあれこれも含めて、ぜひもんで気にしたい1作だ。6月4日から全国順次公開。
『ビッグベイビーアイスクリーム』のモーニングセット
休日に早起きできたら、新丸子の『ビッグベイビーアイスクリーム』に。お店で働く鈴木英生さんと鈴木拓央さんが週末限定で朝食を出していて、メインディッシュは週ごとに内容が変わるサンドイッチと野菜たっぷりのプレート。食べ方は自由だけど、プレートのサラダをサンドイッチに挟んで食べると最高に美味しい。アイスとサラダとドリンクバーまで付いて1,200円。2人が地元・福島で喫茶店を開くまでの約1年のリミテッドだ。
インフォメーション
BIG BABY ICE CREAM
2人のシルエットがプリントされた紙のランチョンマットには似顔絵も描ける。◯神奈川県川崎市中原区新丸子東1-829 ☎︎044・750・9080 土・日・祝8:00〜11:00※モーニングセットの営業日程
『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』を読む。

とんでもないタイトルではあるが、トンデモ本ではないので安心されたし。すべてのモノが商品化してしまう資本主義という体制が、いかに女性を苦しめ(ときには男性も。つまり人類を!)、セックスだけに限らぬあれこれを楽しくなくさせているのかについて、真面目に考察しているのだから。「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方がたやすい」とか言ってる場合じゃないなぁ。¥2,090/河出書房新社
猪瀬直哉「The Utopia Chapter 6」@THE CLUB

GINZA SIX 6Fの銀座 蔦屋書店内にあるギャラリー、THE CLUBにて猪瀬直哉の個展が開催中。特筆すべきは彼の圧倒的な絵画技法と表現力だ。多岐にわたる技法で「ユートピア」が紐解かれていく様はまるで西洋絵画史のドキュメンタリー。THE CLUBはこちらの展示をもって閉廊予定。行きそびれることのないように!
会場:THE CLUB
会期:2022年4月28日(木)~6月11日(土)
休廊日:日曜、月曜
時間:12:00~19:00
入場:無料
ラシード・ジョンソン「Plateaus」@エスパス ルイ・ヴィトン東京

巨大なグリッドのなかに入り乱れる植物やシアバター、陶器、本、アマチュア無線機……etc。これらをじっくり観察すると、この作品自体が作者ラシード・ジョンソンを表していることがわかる。個人的な素材がミクストメディアとして混交し、新たな物語を紡ぐ。そんな生命力に溢れた“彼”の一端にぜひ触れてほしい。
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:2022年4月27日(水)〜9月25日(日)
休館日:ルイ・ヴィトン 表参道店に準ずる。
時間:11:00〜19:00
入場:無料
池田亮司展@弘前れんが倉庫美術館

国際的なアーティスト/作曲家である池田亮司の大規模個展が開催中。テクノロジーを駆使し、音や光を用いて鑑賞者を引き込む作品世界が広がる。吹き抜けの大空間に現れる「data-verse 3」はそんな取り組みの集大成でもあるので要チェックだ。れんが造りの美しい建築と共鳴する展示空間は、ここでしか味わえない特別な体験となりそう。
会場:弘前れんが倉庫美術館
会期:2022年4月16日(土)〜8月28日(日)
休館日:火曜日(ただし8月2日は開館)
時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
入場:一般 ¥1,300、大学生・専門学校生 ¥1,000、高校生以下無料 詳細はHPにて