フランスの人口10万にも満たない小さな街を特集。
『デュエル』ジャック・リヴェット(監)を観る。

舞台は現代のパリ。探偵映画的に幕を開ける本作は、最終的に地上での生を受けるための魔法の石をめぐる太陽の女王と月の女王の対決へ……という『アベンジャーズ』もびっくりな展開へと至る。基本的に2人の人物がただ語り合っているシーンで構成されるのだが、まったく飽きないのは、その人物の配置とカメラの動きのアレンジメントが素晴らしすぎるから。観た後はしばらく放心状態になること間違いなし。ジャック・リヴェット映画祭【デジタルリマスター版】内で上映される。同映画祭は4月8日から28日まで、ヒューマントラスト シネマ渋谷で開催。
『パッシング/流砂にのまれて』を読む。

ネラ・ラーセン(著) 鵜殿えりか(訳)
1920年代のNYでは、黒人たちが独自の文化を追求する「ハーレム・ルネサンス」が花開いた。本書に収録されるのは、そんな時代に生まれた2作の小説。うち1作のタイトルになっている「パッシング」とは、肌の色が白い黒人が白人として生きること。2人の黒人女性を通して、本書はその行為が招く悲劇を描いていて、Netflixで映画化もされた。人種問題、ジェンダー問題など、現在にも通じるテーマが刻まれているので、ぜひ読まれたい。¥4,950/みすず書房
遠藤利克 @SCAI THE BATHHOUSE

200年の歴史を持つ銭湯を改築したギャラリー、SCAI THE BATHHOUSEにて「遠藤利克」が開催中。彫刻家である遠藤の作品では、火、木、鏡、といった原初的なモチーフが扱われ、大自然と人間の関係を問うダイナミックな表現が特徴的だ。特別なタイトルは用いられず、作家名のみが冠された本展。先入観をもたずにその作品世界に入り込むべし。周辺には桜の名所も多く、春の谷中散策と合わせて行きたい。
会場:SCAI THE BATHHOUSE
会期:2022年3月8日(火)- 5月14日(土)
休館日:日・月・祝日
時間:12:00 〜 18:00
入場:無料
ダミアン・ハースト 桜@国立新美術館

ダミアン・ハーストといえばホルマリン漬けの作品が強く印象に残るが、彼がこのところ一貫してモチーフとしているのはまさにこの季節にぴったりの「桜」だ。30年以上にわたるキャリアの中で、「生」と「死」をはじめとして様々な角度で作品に向き合ってきた作家の新たなる境地を目撃したい。
会場:国立新美術館 企画展示室2E
会期:2022年3月2日(水)~5月23日(月)
時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)
入場:1,500円(一般)、1,200円(大学生)、600円(高校生)
※中学生以下は入場無料。
障害者手帳を持参の方(付添の方1名含む)は入場無料。
星空と路 —3がつ11にちをわすれないために—(2022)@ せんだいメディアテーク

せんだいメディアテークは2011年5月、東日本大震災による甚大な影響に対し、ともに向き合い考え、復興への長い道のりを歩きだすために「3がつ11にちをわすれないためにセンター」を開設した。この『星空と路』では毎年、センターの参加者による記録を紹介する展示や上映会を行っている。記録を自分自身の記憶と結びつける、”忘れない”ための一歩を歩もう。
会場:せんだいメディアテーク
会期:<展示>
3月9日(水)〜3月13日(日)10:00-18:00 1f オープンスクエア
3月15日(火)〜4月24日(日)9:00-20:00 7f スタジオa
*3月24日(木)は休み
<上映>
3月12日(土)・3月13日(日) 7f スタジオシアター
入場:無料