『ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク』を読む。

ジョン・ウォーターズ(著)、柳下毅一郎(訳)
キング・オブ・バッドテイストこと映画監督のジョン·ウォーターズは、66歳にしてアメリカ横断ヒッチハイク旅行を決意。本書はその予行演習として書き上げたという、想像しうる最良ヴァージョン&最悪ヴァージョンを描いた2編のフィクションと、実際の旅路を綴ったノンフィクションで構成される。いやー、アメリカでヒッチハイクなんてするもんじゃないね。国書刊行会/¥2,860
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン(監)を観る。

我らがウェス・アンダーソン監督の最新作は、フランスの架空の街にある米国雑誌「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部が舞台。名物編集長アーサー・ハウイッツァー・Jr.が亡くなり、残されたクセの強いメンバーが同誌の最終号を作るという話だが、じゃあ、その制作の舞台裏を見せる『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』的なやつかと言えばそうじゃない。最終号に掲載される3つの記事をウェスみ溢れるタッチで映像化し、それを雑誌のページをめくるかのごとき構成で編んだ短編オムニバス的な趣なのだ。その意味で『ニューヨーカー誌の世界』を彷彿とされるが、とにかく雑誌好きは全員必見である。1月28日より公開。