『グリード ファストファッション帝国の真実』マイケル・ウィンターボトム(監)

主人公はファストファッションブランドを立ち上げて巨万の富を築いたリチャード。まるでギャングスタのような彼の栄枯盛衰をテンポよく描く。「TOPSHOP」などを保有していたアルカディア・グループのオーナー、フィリップ・グリーン卿がモデルだそうな。リアリティ・ショーに出演しているリチャードの娘とその彼氏がボンクラすぎて、彼女たちを中心に据えたスピンオフ作品を観たくなった。6月18日より全国公開。
『パッサカリア』

ロベール・パンジェ(著) 堀千晶(訳)
映画監督としても活躍したアラン・ロブ=グリエ、ノーベル文学賞を受賞したクロード・シモン、二人称代名詞を用いた『心変わり』で知られるミシェル・ビュトール、“意識の流れ”を突き詰めたナタリー・サロート。いずれも1950年代にフランスで勃興した前衛文学運動ヌーヴォー・ロマンを率いた小説家だ。この4人は日本でも比較的によく知られているが、まだ未紹介のキーマンがいたらしい。こちらはそんなミッシングリンクであるロベール・パンジェの代表作。あらすじは要約不可能だから、とにかく読んでみよう。¥2,200/水声社