ゴスペルが聴こえるニューヨーク・ハーレム、ミュゼットが懐かしいパリ・カルチェラタンなど、音楽が響く街を特集して紹介する。コロナ禍に見舞われた様子も伝える。
『スイング・ステート』ジョン・スチュワート(監)

2016年の大統領選において、ヒラリー率いる民主党陣営で選挙参謀を務めたゲイリーは大敗を喫する。失意のどん底にいた彼は、YouTubeでウィスコンシン州の片田舎の老いた退役軍人が、不法移民のために立ち上がる演説を発見。このエリアは共和党が強いので、彼を民主党推薦の町長にできれば次の大統領選挙でスムーズに勝てるかも。そう目論んだゲイリーはかの町へ行き、退役軍人を町長選に立候補させるが……。とアウトラインを書くと、難しそうな映画と思われるかもしれないが、さにあらず。本作は爆笑必至のコメディだ。でありながら、選挙制度のダメなところも暴き出しちゃうんだから、アメリカ映画はやっぱりすごいなぁ。9月17日より全国公開。
『ファスター ──1930年代のモータースポーツカルチャー』

ニール・バスコム(著) 吉野弘人(訳)
1930年代のモータースポーツ界の内幕に肉薄するノンフィクション。随所に散りばめられたレースシーン描写が圧巻なのはもちろん、ヨーロッパが大戦へと突き進んでいく様子が自動車産業の視点から描かれるのも興味深い。映画『フォードvsフェラーリ』好きは必読。¥2,640/パンローリング株式会社
ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-@水戸芸術館

色彩に満ちた世界をユーモアたっぷりに切り取ってみせる映像や、心地よい音楽や空間設計によるヴィデオ・インスタレーションなど、国を越えて幅広い世代の観客を魅了してきたピピロッティ・リストは1980年代からスイスを拠点に活動するアーティスト。本展は、身体、ジェンダー、自然、エコロジーを主題とした作品およそ40点で構成。この時期は臨時休館もあるので遊びに行く前にHPをチェックしよう!
TOKAS Project Vol. 4 「道と根」@トーキョーアーツアンドスペース本郷

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)とクンストラウム・クロイツベルク/ベタニエンとの交流は今年で10周年。本展では、TOKASのレジデンス・プログラムに参加経験を持つドイツ拠点のアーティストを紹介。参加作家は杉藤良江、武田竜真、シンゴ・ヨシダ、マーティン・エブナー、ヨアヒム・フライシャー、ステファニー・ガウス。休館日等はHPで要確認。
「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展@銀座メゾンエルメス フォーラム

光や動力を取り込んだキネティック・アートやオプ・アートの先駆的存在で、公共の場における観客の参加を促す作品を展開した視覚芸術探究グループ(GRAV)の設立メンバー、そして、活動初期から継続する色の可能性を探求した幾何学的な抽象画で知られるジュリオ・ル・パルク(1928年アルゼンチン、メンドーサ生まれ)による日本での初めての個展「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展が銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催。またとない機会なのでぜひ足を運ぼう。休館日等はHPで要確認。