『ベケット氏の最期の時間』

マイリス・ベスリー(著) 堀切克洋(訳)
『ゴドーを待ちながら』をはじめ、そこに込められた深い意味はよくわからないけど、なぜか笑っちゃう小説や戯曲や詩を書きまくり(バスター・キートン主演の映画も作っている!)、1989年に亡くなったサミュエル・ベケット。彼はその最晩年の日々をどのように過ごしたのだろうか。それを史実と想像を織り交ぜながら描いたのが、こちらの小説。ああ、すごくいい。早川書房/¥2,860
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』ジェームズ・ガン(監)

スーサイド・スクワッドが装いも新たに帰ってきたぞ! ハーレクインをはじめDCコミックスに登場する悪役がチームを結成し、さらなる巨悪に立ち向かう姿を描く、例のアレだ。監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン。B級ホラー出身のガンらしい、ひょえーっと驚くしかない描写がてんこ盛りだ。それにしても、まさか数百匹のネズミを使って撮られたカルトホラー『ウイラード』にオマージュを捧げてしまうとは。ガン、恐るべし。8月13日より全国公開。
MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨@東京都現代美術館

今回で17回目を迎える本展は若手アーティストの活動を通じて国内の現代美術の潮流のひとつを紹介するグループ展。未だ収束を見ないパンデミックによって複数の社会問題が顕在化した世界で、国や地域を超えて共鳴する若手アーティストたちの同時代的な表現や問題意識を提示する。参加作家は小杉大介、潘逸舟、マヤ・ワタナベ。
メヒコの衝撃―メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる @市原湖畔美術館

メキシコのスペインによる征服から500 年、独立から200 年にあたる今年、市原湖畔美術館が「メヒコの衝撃―メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる」を開催。 本展は、日本とメキシコの交流の歴史を繙きながら、メキシコの歴史・風土・人・芸術に衝撃を受け自らの表現に向きあってきた8人のアーティストに焦点を当て、メキシコの何が彼らを惹きつけたのか、そのメキシコ体験を多角的に解き明かす展覧会。