『ツボちゃんの話 夫・坪内祐三』

佐久間文子(著)
博覧強記、生き字引、碩学の徒。そんな表現を体現した坪内祐三さんが、亡くなって1年以上が過ぎた。こちらは坪内さんの妻である著者が、彼との記録を赤裸々に綴った1冊。いろいろとのっぴきならなかったらしい日々の中から鮮やかに浮かび上がってくるのは、「怒りっぽくて優しく、強情で気弱で、面倒だけど面白い」という坪内さんの生きざま。うーん、とても素敵な読後感。¥1,870/新潮社
『幸せの答え合わせ』ウィリアム・ニコルソン(監)

イギリス南部の海辺に暮らすグレースとエドワードは、もうすぐ結婚29周年を迎えようとしていた。しかし、1人息子ジェイミーが久しぶりに帰ってきた週末、些細な言い争いが災いして、エドワードは家を出ていってしまう。彼にはいろいろと積もり積もった思いがあったようだ。本作は、そんな三人の感情の機微を繊細に描く。『20センチュリー・ウーマン』とはほぼ正反対の性格と言っていいグレースを演じたアネット・ベニングをはじめ、役者の演技を堪能するタイプの作品だ。6月4日より全国順次公開。
ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」@ 東京オペラシティ アートギャラリー

イギリスを拠点に活動し、国際的な注目を集めるライアン・ガンダーが手掛ける『東京オペラシティアートギャラリー』での収蔵品展。収蔵品は故寺田小太郎氏によるプライベート・アイ・コレクションであり、ガンダー×寺田小太郎の一対一の会話といえる展覧会。