![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-_M3A4188.jpg)
カルチャー
なぜアニソンが好きなの?/#2 フライング・ロータスの場合。
殺陣の練習をし、寿司を食べ、『YASUKE』になり切ったフライング・ロータスにアニソンの魅力を聞く。
2021年7月13日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/04/6688adfa49960395783de01bdadae130-750x750.png)
なにはともあれ、いい音楽が必要だ。
photo: Aya Muto
coordination & translation: Hashim Kotaro Bharoocha
text: Katsumi Watanabe
2021年8月 892号初出
![フライングロータス](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-IMG_8681-1600x1067.jpg)
アニメ好きが高じて、あのフライング・ロータスが製作総指揮とサウンドトラックを担当した、実在した黒人侍が主人公のアニメ『YASUKE-ヤスケ-』。安土桃山時代が舞台なのに、ロボットや超人が登場。時代劇としてはブッ飛びすぎだけど、アクションファンタジーとしては最高だ。サンダーに続きLAの自宅兼スタジオで話を聞くことができた。
![フライングロータス 部屋](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-_M3A3875.jpg)
![フライイングロータス 部屋](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-_M3A3839.jpg)
![フライングロータス 部屋](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-_M3A3860.jpg)
![フライングロータス サムライチャンプルー](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-_M3A4145.jpg)
「監督や製作陣と共通して大事にしたかったことは、ヤスケを強いだけじゃなく、挫折や失敗から必ず立ち上がってくるような新しいヒーローにすることだったんだ。オレ個人としては、キャラクターの特殊能力や精神世界のことについてアイデアを出したよ」
サウンドトラック制作時には、なんと自分自身も役作り(!)をしていたらしい。
![フライングロータス](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-_M3A4188.jpg)
「制作の同時期に『ゴースト・オブ・ツシマ』にもハマってさ。殺陣の授業を受け、毎日お寿司を食べていた。気分は完全に侍だった(笑)。音楽はアニメのラフやスケッチを観ながら作っていったんだけど、キャラクターやシーン全体がどう動くか、ペースがわからなかった。そんなときこそヤスケになり切り、気持ちや考えを代弁するようなサウンドを作ったね。音楽がハマらない場合のために、いくつかバージョンも作ったりしたけどさ」
役になり切る無邪気さと大人の判断が功を奏し、劇中の音楽はフライローならではの低音と浮遊感のある独特なサウンドで、作品全体の世界観を統一させている。
「各パートにリバーブ(エフェクターによる残響効果)をかけることで、宙に浮いているような、空間的なサウンドを作り出すことができた。シンセやサンプリングした和太鼓や琴の他、危うく声優の声にまでリバーブをかけそうになったよ(笑)」
![フライングロータス](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-_M3A4081-1600x1067.jpg)
![フライングロータス](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-_M3A4028.jpg)
![フライングロータス ピアノ](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/6a19fda36a3080cd558ad13e85fd8a90.jpg)
グッと心を掴まれるサイバーなオープニングテーマ(以下OP)「Black Gold」は、前出のアニメ仲間、サンダーキャットが歌っている。
「アニメのOPを作ることは、オレたちの夢だったんだ。日本のアニメみたいに90秒間で物語を説明し、先が観たくなるような、気分を高めてくれる曲を心掛けた。エンディングテーマ(以下END)を歌っているニキ・ランダもアニメが好きで、ENDは緊張感を与えるものではなく、ホッと一息つける曲にしたくて、穏やかな『Between Memories』ができた。本編では険しい顔のヤスケだけど、ENDでは平和に微笑む顔を入れてもらったんだ」
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2021/07/DMA-cover-Flying-Lotus-Yasuke.jpg)
「Black Gold」や「Between Memories」他、劇伴を含む全27曲。音だけでも超クール。「シンセサイザー奏者の喜太郎の日本盤LPの帯をマネして、漢字で『弥助』と入れた。ジャケの色合いは『子連れ狼』の影響かな。剣術の手本は、ヤスケと拝一刀だ」
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アニメシリーズ
『YASUKE-ヤスケ-』
Netflixで独占配信中のオリジナルアニメ。安土桃山時代、織田信長の家臣だったアフリカ出身の侍「弥助」の物語。ヤスケとフライローが似ていることは本人曰く「偶然」とのこと。監督はラショーン・トーマス。MAPPAによる美麗な作画も必見だ。
では、フライロー自身はどんな作品のOP/ENDが好きなんだろうか。
「渡辺信一郎監督の作品のOPはどれも素晴らしい。あと最近では『ポプテピピック』も最高だね。本当にバカげた作品だけど、素晴らしいアイデアがたくさん詰まっている。OP『Pop Team Epic』なんか超ヤバい。ENDなら『新世紀エヴァンゲリオン』の『Fly Me To The Moon』には意表を突かれた。不思議だけど美しく、世界観に合ってると思う」
『YASUKE』の続編を構想しつつ、早くもフライローには目標があるんだって。
「上坂すみれさんの声が大好きだから、一緒に『Black Gold』のポップ・バージョンを作ってほしい。早く日本へ行きたいよ」
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Battlecry feat. Shing02
日本では2004年にオンエアされた渡辺信一郎監督の代表作のひとつ。「とにかく作品全体と音楽がピッタリなんだ。OPのNujabesのビートが最高にカッコいい!」
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Tank!
海外でも評価の高い渡辺信一郎監督作。菅野よう子が手掛けたジャズやブルースのスコアも人気だ。「最近、LAの『Milan Records』からもアナログでプレスされたんだ!」
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遠い叫び
1998年に公開されたサイバーパンク作品。スコアは元RCサクセションのギタリスト、仲井戸麗市が担当。「コンピューター世界を題材にした作品。美しくて大好きだ」
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The Day
ポルノグラフィティが歌うシーズン1のOP。「最初は嫌いだったんだけど、気がついたら中毒状態で好きになっていた。シーズン3のamazarashi『空に歌えば』もいいよね」
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Fly Me To The Moon
アニメシリーズ25周年を記念してリリースされたボーカルセレクション作から高橋洋子バージョンを。永遠に。「ジャズのスタンダードがENDとか、最初は驚いたな」
プロフィール
Flying Lotus
フライング・ロータス|1983年、LA生まれ。2006年デビュー。’17年に監督作『Kuso』を発表。同年『ブレードランナー ブラックアウト2022』で渡辺信一郎監督と共作。
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